教員採用試験変更で英語力強化
有資格者の確保課題
教育の多様な課題解消へ向け、今夏実施した平成29年度教員採用試験では多くの自治体が試験の変更を打ち出した。次期学習指導要領を見据え、小学校英語指導者確保も含めた英語力強化もその一つ。変更による成果はあったのか―。
養護教諭に実技課す 思考力を測る設問も
採用試験内容で教育課題に対応
今夏の教員採用試験では、試験内容の変更も目立った。(1面参照)
この1年を振り返る
今年も残すところ、2週間ほど。教育界の1年を振り返ると、4月には新たな学校種として「義務教育学校」が北は北海道から南は高知、佐賀まで22校誕生した。7月の参院選では18歳から投票できるようになり、主権者教育が活発化。いじめ問題は依然として深刻で、今年も子どもたちの命が失われている。4月の熊本地震など自然災害への対応にも追われた。
大都市中学校長会連絡協議会京都大会
第73回大都市中学校長会連絡協議会京都大会(大会会長=村岡徹・京都市立東山泉中学校校長)がこのほど京都市内で開催された。来年度に控えた教職員給与の道府県から政令指定都市への税源移譲の問題をはじめ、「学校経営」「教育指導」「大都市特有の諸課題」などについて実践報告や情報交換が行われた。
好評 ワークショップ型・園舎のない保育園
成長の喜びを共有
2月に「待機児童」問題を訴えるブログが話題を呼び、国会でも取り上げられた。保育が一般社会からも大きな注目が集まった1年だった。その一方で、現代の子育ちや、子育てに悩む保護者の気持ちへの理解には、まだ課題が多い。そんな中、保育士らが始めた、ワークショップ型の「園舎のない保育園」が好評だ。「親、子ども、保育者が対等に過ごせる場」で、「大人も子どもも幸せになる」ことを目指す、保育園の外での保育の可能性を探る。
課題に立ち向かう状況生み出す
「総合」
思考の活性化を柱に
「子どもたちが本気になって学びに向かう」―。そんな姿がよく見られる総合的な学習の時間では、身の回りにある問題を見つけ出し、それを解決するために協働することが欠かせない。大切なのは「思考」の活性化。子どもたちが真剣に課題に立ち向かっているような状況を生み出すにはどうすればよいのか。また、教師はどのような支援が必要になるのか。2校の取り組みを紹介する。
思考ツール生かしキャリア教育
全教員が各教科・部活で
京都市立下京中
「思考ツールを活用したキャリア教育の推進」をテーマに京都市立下京中学校(増田隆生校長、生徒581人)がこのほど、研究報告会を開催した。全教育活動でキャリア教育の四つの基礎的・汎用(はんよう)的能力育成を目指す同校。その手段として教科指導や部活動指導などで、文科省の田村学視学官らが提唱する「思考ツール」の活用を試みた。
ICT機器活用し授業改善
大阪府立東百舌鳥高校
次期学習指導要領のキーワードの一つ「アクティブ・ラーニング」(AL)。大阪府立東百舌鳥(ひがしもず)高校(牧野浩二校長、生徒979人)では、共通の指針となる学校独自の「AL」の定義を設け、ICT機器を活用した授業改善に取り組んでいる。校務分掌にICT教育推進室を新設したり研修を充実させるなど、それに加えて授業でスマートフォンを活用するといった大阪府内の公立高校では初の試みも。来月1月18日に公開研究発表会を実施する同校。パナソニック教育財団の特別研究指定校として、これまでの研究成果を披露する。
全校に「コーディネーター」
新潟市
来年4月、政令指定都市となって10年を迎える新潟市で、学校支援地域本部事業に先立って、住民をコーディネーターとして学校支援ボランティアを迎え入れる体制が全公立学校に整った。政令市への移行をきっかけにまとめた教育指針が背景にある。平成20年度にこの事業を導入した市立新潟小学校は、学校と地域社会をつなぐとともに、地域団体同士を結び付けるなど新たな段階に入り、事業をさらに充実させようとしている。