7割「授業見直し必要」
アクティブ・ラーニングへの対応 次期指導要領で
市区町村教育長アンケート
全国の市区町村教育委員会の教育長を対象に、次期学習指導要領の焦点の一つとなっているアクティブ・ラーニングへの対応について意見を聞いたところ、7割が授業を見直す必要があるとした一方、見直す必要はないとの回答も1割を超えた。これまでの授業改善を一定程度評価していた。また、小学校で英語に関する授業時間を確保する上で、過半数の教育長が、従来の授業単位時間より短い「モジュール」の導入が望ましいとした。(4・5面に続く)
「隆景」の学習通じ学校愛・地域愛育む
校章は小早川家の家紋「左三つ巴」
広島・三原市立本郷小学校
校区に小早川隆景の居城高山城と新高山城があり、同家の家紋「左三つ巴」を校章に据えた広島県三原市立本郷小学校(沖章生校長、児童356人)。本年度に着任した沖校長はこれに着目、地域に眠る隆景の物語等を掘り起こし、教育活動に生かすとともに、地域との関わりを深めてきた。その結果、児童に学校愛・地域愛が芽生え、自己肯定感が高まり、保護者・地域の学校への信頼がより強固なものになってきた。短期間でこうした空気を生み出した沖校長の基本姿勢と実践を紹介する。
「外国語教育充実が課題」半数超す
いじめに対応しない教員「いる」25%
市区町村教育長に本社アンケート
全国の市区町村教育長を対象に、国の施策への考えや、各地域の実態などについて聞く本社調査は今回で11回目を迎えた。今回は次期学習指導要領、いじめ問題への対応の他、新教育委員会制度導入に伴う変化、教育再生実行会議の検討主題となった「学校・家庭・地域の役割分担」などについて尋ねた。(1面参照)
韓国から視察 幼保一元化先進事例を学ぶ
日本とよく似た制度の下、幼稚園、保育所の行政が二元化されている韓国。今、将来の幼保統合に向け、日本の幼保連携型認定こども園にヒントを求めている。幼保統合の「生みの苦しみ」を乗り越えて、子どもを中心に据えた保育が国外からも注目される時代となってきた。
「法教育」議論が白熱
学級の困り事を出し合いグループで解決法考える
さいたま市立蓮沼小学校
「さあ、意見が分かれたぞ。どうすればいい?」―。6年生の子どもたちの話し合いをサポートするのは本物の弁護士だ。学級生活で困っていることを子どもたちで出し合い、グループに分かれて解決方法を考えていく。さいたま市立蓮沼小学校(星野好男校長、児童780人)で始まった「法教育」が今、広がりを見せている。
小中一貫「施設一体型」組織運営の鍵は
東京・武蔵村山市立小中一貫校 村山学園の試み
東京都武蔵村山市でこのほど、第11回小中一貫教育全国サミットが開催された。施設分離型の市立第五中学校、隣接型の大南学園(第四中・第七小)、一体型の村山学園(第二中・第四小)が実践を紹介。村山学園の実践から、施設一体型小中一貫校を機能させるには、「全教員が同じ方向を向く」ための組織運営が重要になりそうだ。
通級指導でコミュニケーション力
新潟市立明鏡高校
新潟市立明鏡高校(柴田圭介校長、生徒380人)が、平成26年度から文科省の「高等学校における個々の能力・才能を伸ばす特別支援教育」事業の指定を受け、通級指導による自立活動の実施や一斉授業の改善・工夫に取り組んでいる。小グループでの継続的な支援によって生徒のコミュニケーション力などに良い変化が見られた一方、30年度からの高校での通級による指導の制度化に向けて検討すべき課題も明らかになってきた。
体験活動を授業時数に
自民党が提言
次期学習指導要領の骨格となる審議会答申がまとまり、今年は文科省内で詳細を詰めることになる。そんな中、子どもたちの体験活動を学校教育の中でさらに充実させようと自民党が昨年12月6日に提言をまとめた。日程確保のため、体験活動を授業時数に組み入れることなどが柱。地域によっては既にそうした体験活動を20年以上にわたって続けている。
新指導要領改訂の狙いは
無藤 隆 中教審教育課程部会長
中央教育審議会が昨年末、学習指導要領の改訂に向けた答申をまとめた。従来の学習内容の変更にとどまらず、指導方法や学校の教育課程の編成にまで踏み込んだのが特徴だ。ただ、これまでにない構成だけに学校関係者からは戸惑いの声も聞かれる。教育課程部会長として答申の取りまとめ役を務めた無藤隆・白梅学園大学教授に聞いた。