「教員指導力」が最大課題
英語の教科化で
全連小研究紀要
小学校での英語の教科化・対象学年の拡大による最大の課題は「教員の指導力」であり、道徳の教科化については「児童の道徳性の評価の内容と方法」である―。全国連合小学校長会(会長=堀竹充・東京都新宿区立早稲田小学校校長)がまとめた平成25年度研究紀要で、こんな結果が浮き彫りになった。
特別支援コーディネーター 負担軽減の実態は?
教員集団の中から、特別支援教育の担当者として保護者や専門家への窓口役などとなる「特別支援教育コーディネーター」を指名するに当たり、特別支援教育コーディネーター以外の職務負担を軽くする小・中学校、高校が増えつつある。文科省が3月にまとめた調査結果で分かった。非常勤講師に授業の一部を肩代わりしてもらう他、教員を増やして、同コーディネーターは学級担任も授業も持たないといった学校もある。
高い学力水準裏付け PISA「問題解決力」調査
経済協力開発機構(OECD)は1日、2012年の学習到達度調査(PISA)で初めて実施した「問題解決能力」の分野の結果を公表した。日本の平均点は、参加した44カ国・地域で3位だった。昨年末に公表された「読解力」や「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」とともに、国際的な学力水準の高さが裏付けられた。
全国連合小学校長会 25年度研究紀要 上
全国連合小学校長会がこのほどまとめた平成25年度研究紀要の調査結果を2回にわたって紹介する(次回は21日付)。調査は同会対策部と調査研究部内の各委員会が実施。対象は全国の公立小学校の約4%に当たる810校以上で、昨年7月から8月にかけて行った。回答の多くは「選択肢から三つ以内」など複数回答形式。
幼稚園の視点、小学校に
異年齢での関係改善へ連携
徳島・藍住町
「先生、見てみて! こうやって巻くんよ。幼稚園でもしたもん」。こま回しのひもを、得意そうに巻いて見せる子どもたち。多くの園で取り組む伝統遊びの一場面と思いきや、子どもたちの顔が少し大人びているのは、ここが「小学校」だから。徳島県藍住町が町を挙げて進める幼小連携では、幼稚園の視点を生かした工夫を学校現場に取り入れ、着実に成果を上げている。「幼小連携」といったときにありがちな「小」から「幼」への注文だけでなく、幼稚園側からのアイデアで、幼小の壁を乗り越える試みを紹介する。
自らの考えに至るプロセス大事に「説明力」を育む
思考・表現力と結び付けて
広島大学附属小学校
「初等教育全国協議会」―。広島大学附属小学校(由井義通校長、児童424人)が隔年で開催している各教科における個人研究を踏まえた成果発表会だ。昨年度は2月に行い、参加者数は千人を超えた。子どもたちから議論が生まれるよう、自らの考えに至るまでのプロセスを説明できる力を大事にしている同校。それを「説明力」として捉え、子どもたちの思考力・表現力の育成などに結び付けている。
可能性の芽に「ノーベル賞」
地道な学習、地域貢献など評価
千葉・八千代市立大和田中
学校生活の中では、善い行いなど生徒の生活態度を褒める機会は多い。スポーツ活動に対する称賛機会も多い。だが、地道な学習や文化活動の成果を褒める機会は少ないと言われる。千葉県八千代市立大和田中学校(若松竜二校長)は、こうした課題を解消しようと、平成24年度に、校内最高の学問賞「大和田中学校ノーベル賞」を設立した。年に1回、学習面や長期休業中の課題作品、地域貢献活動などで優れた結果を残した生徒を表彰するというもの。本年度は約800人の生徒が選考対象になった。
学校統合を成長に生かす
東京都立鹿本学園が開校
今春、都立江戸川特別支援学校と都立小岩特別支援学校が発展的に統合した都立鹿本学園(田村康二朗校長)が開校した。小~高の肢体不自由教育部門と小・中の知的障害教育部門を併置する学校としては、23区内で最大規模の特別支援学校となる。初代校長を務める田村校長は開校までの約2年間、学園のコンセプトづくりとともに、学校が変わる「転機」を児童・生徒の学びに活用し、準備を進めてきた。
主任児童委員の力で不登校減少
小学生に起床促し
福岡・久留米市
依然として深刻な不登校問題に対し、学校と民生・児童委員、主任児童委員は、どう向き合えばよいのか。主任児童委員らを「生徒指導助手」と名付けて小学校に配置している福岡県久留米市教委の取り組みからヒントを探った。生徒指導助手の主な活動時間は朝。登校時間になっても寝ている児童を訪ねて起こしに行ったり、遅刻して登校してくる児童を校門で見守り、声を掛けたりする中で、不登校傾向の子どもは減りつつあるという。