考えの発信、無答率高く 4年ぶりの英語、平均10ポイント減 全国学力調査
文科省は7月31日、令和5年度の全国学力・学習状況調査の結果を公表した。4年ぶりに実施された中学校英語(聞くこと、読むこと、書くこと)は平均正答率が46・1%と前回より約10ポイント下がった。社会的な話題についての英文を読み、自分の考えとその理由を書く問題で無解答率が高く、正答率も低かった。また抽出校に実施した英語「話すこと」の調査は5問中、平均正答数が0・6問(平均正答率12・4%)と低水準だった。専門家は「授業で行っている言語活動が生徒の発信能力の向上につながっているか振り返る必要がある」と指摘する。
小規模自治体に対応、指導主事の共同設置促進を 文科省協力者会議
文科省の協力者会議が7月、教育委員会の機能強化などを求める報告書を公表した。人材確保の難しい小規模自治体が指導主事を共同で設置することや、自律的な学校運営を支援するため学校裁量の拡大に取り組むことなどを提言した。文科省は今後、裁量拡大の具体的な事例を示す。
生活リズムの改善など実践報告
東北地区中学校長会研究協議会福島大会
東北地区中学校長会(会長=福地裕之・福島市立福島第四中学校校長)は6月30日、第73回研究協議会福島大会(実行委員長=長谷川浩文・福島県会津若松市立第三中学校校長)を会津若松市内で開催した。現地とオンライン参加を組み合わせたハイブリッド形式で行い、三つの分科会で6本の研究・実践報告があった。
教員不足や資質・能力向上策 テーマに座談会
全日本中学校長会会長経験者集う
中学校現場は、学習指導要領への対応や部活動の地域移行、働き方改革をはじめ、さまざまな課題と日々向き合っている。全日本中学校長会会長経験者8人を招き、「教員不足時代の中学校」をテーマに、この問題への対応方法や若手教員や管理職の置かれた状況、資質・能力向上策などについて広く議論してもらった。発言の一部を紹介する。(文中敬称略)
水を使った遊びにも表れる成長
「探究の深化」を明らかにする研究 下
奈良市立伏見こども園
昨年度は「『探究』を深めていく子どもの成長過程が、どのように『科学する心』を育てることにつながるか」をテーマに研究を進め、昨年度のソニー幼児教育支援プログラムの最優秀園を受賞した、奈良市立伏見こども園(和田江利子園長、園児169人)。6月24日に開催した実践発表会の公開保育でも、子どもたちが主体的・能動的に環境に関わって遊びを創り出す中で探究が深化する過程が見られた。
意見つなぐ学び合い推進 全児童が主体的に参加、発言
埼玉・八潮市立大瀬小の国語
田畑・特別記者がリポート
埼玉県八潮市立大瀬小学校(小笠原圭一校長、児童803人)は以前から、国語を通じた学び合いの授業に力を注いできた。実践を重ねる中で、全ての子どもが授業に主体的に参画し、発言し、思考が深まるようになった他、いじめや不登校も減少しているという。同校の取り組みについて、小学校での教育漫才の実践で全国から注目を集め、同校の校内研修を指導してきた田畑栄一・特別記者に授業の概要や長所などをリポートしてもらった。
災害現場で考え行動できる人に 大学と連携して防災教育
東京・中央区立晴海中学校
東京都中央区立晴海中学校(藤江敏郎校長、生徒542人)では、地震災害を想定した避難訓練などの防災教育に力を入れている。けが人が発生したという設定で訓練を行ったり、救護の際にトリアージの考えを取り入れたりして、災害現場で起こり得る場面への対処方法を学ぶ。取り組みの概要を紹介する。
落ち着きと仲間意識育む 特別支援学校・学級でヨガ体験
特別支援学校・学級でヨガに親しむ児童・生徒が増えつつある。自分の呼吸に意識を向け、人と競い合うことなく、身体を動かすことにより、感情が落ち着き、仲間意識が育つ。教員にとっても、児童・生徒と一緒にヨガを体験することで心身の安静を得られるという。
減少した体験活動補おう コロナ禍経た青少年施設 役割は
松田 恵示 国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター長
国立の青少年教育施設を運営する国立青少年教育振興機構の青少年教育研究センター長に東京学芸大学の松田恵示副学長が4月、着任した。コロナ禍の中の3年間、子どもたちの体験の場はさまざまな制限を受けてきた。今、各地の青少年教育施設はどのような役割を果たし、学校教育とどのように連携していけるか。考えを聞いた。