教委制度改革地方の願いは
政府の教育再生実行会議が教育委員会制度の在り方について提言をまとめ、近く、審議の舞台は中央教育審議会に移る。現在の制度にどのような課題があり、教育行政の現場はどのような制度を求めているのか。2人の教育長に考えを聞いた。
学校を拠点に地域活性化
共に支え合い相乗効果
「地域に開かれた学校」を一歩進め、「学校と地域が共に支え合い、学校を拠点に地域活性化を図る」。そんな事例を紹介した、総務省の有識者会議の報告書「地域活性化の拠点として学校を活用した地域づくり調査事例」が、15日までに完成した。その中から、児童・生徒への教育や地域住民に対してだけでなく、地場産業や観光など地域振興にも結び付いた事例を紹介する。学校を中心にしたウィンウィンの関係づくりは参考になる。
教員を指導する力高めよう
神奈川・横須賀市立小学校教頭会が研修冊子
授業について教員を指導・助言する力を高めようと、神奈川県横須賀市立小学校教頭会(会長=福田倫弘・同市立粟田小学校校長)はこのほど、冊子「『思考力・判断力・表現力の育成を中心とした授業づくりのために』 指導・助言のポイント」を作成した。同冊子を使った研修会を5月から始め、教頭の資質・能力の向上に役立てる。この取り組みは昨年度、同市学校教育賞教育振興賞を受賞するなど市内の教育関係者に高く評価されている。
新制度移行向け 活気ジワリ 保育所運営企業
少子化にもかかわらず、保育所運営企業大手の動きが活発化している。国は、平成27年度からの本格施行を目指す新制度で、市町村がメニューを決める地域子ども・子育て支援事業への多様な事業者の参入促進を掲げるとともに、待機児童問題解消にも企業の機動力を期待する。そんな状況を追い風に、「0歳からの教育」、発達障害が「気になる子」、保育士の確保など業界共通の課題に、規模を生かした独自のアプローチを始動させている。将来的には自治体や社外の同業者へのソリューション提供も視野に、事業を構築しているという。企業の動向を探った。
「食育」「運動」「健康」柱に 体力向上へ
自主的に取り組む意識育む
東京・豊島区立高松小学校
児童の体力向上を目指し、昨年度まで「食育」「運動」「健康」の三つを柱に研究を進めてきた東京都豊島区立高松小学校(日下部弘之校長、児童437人)。同校では全教員が研究授業を行うことで授業力を付け、「食育」は保護者、「健康」は養護教諭や学校医と連携するなど、子どもと関わる大人たちが協働して実践を積み重ねてきた。「運動」では、休み時間に自由に使える体育用具の専用棚を設置するといった環境の整備も。体育の授業で大切にしたのは、子どもたちが自主的に運動に取り組む仕掛けづくりだ。
地域、外部と連携し課題解決
日教弘教育賞最優秀に2校
平成24年度第18回日教弘教育賞(日本教育公務員弘済会)の最優秀賞に中学校の2校が選ばれた。学校部門では静岡市立城内中学校、個人部門では埼玉県越谷市立大袋中学校。城内中は東日本大震災などによって従来の防災学習の見直しを迫られ、大袋中は山積する教育課題を見据えた結果、それぞれ地域や学校の外の力などを得て、解決しようとする点で共通する。
高大接続テキスト作成
高校教員と協働
秋田大学
高校と大学の教育・学習上の円滑な接続を目指し、秋田大学がこのほど県内の高校教員らと連携・協力して高大接続テキストを作成した。同大学の初年次生を対象とした基礎教育科目の講義や大学教員による高校生向け体験講座などで試行活用し、受講者から好評を得ている。
「鬼ごっこ」で思いやりの心
東京・府中市
フットサル(サッカーの一種)の全国リーグで活躍するチームが「鬼ごっこ」を通して、子どもの体力、知恵、思いやり、コミュニケーション力を育もうという活動を進めている。南米の遊びと日本の「凍り鬼」を組み合わせたゲームで、子どもたちは2組に分かれ、相手の陣地から先に「宝」を持ってきた方が勝つ。運動能力がさまざまな集団の中で、どのように組を分け、どのようなルールを加えればみんな楽しめるか、子どもたちは知恵を絞る。勝負を求めるだけではない奥深さがある。