副校長・教頭9割が心身疲れ
全国公立学校教頭会調べ
全国の公立小・中学校の副校長・教頭の約9割が職務を通した心身の疲れを実感しており、1割以上が「よく眠れない」状態にあり、睡眠時間は7割以上が6時間未満―。こんな実態が、全国公立学校教頭会(会長=山田勇・埼玉県川越市立寺尾小学校教頭)がこのほど実施した調査で明らかになった。疲労やストレスを特に感じる職務は「各種調査依頼」「苦情」などへの対応が挙がった。調査では、職務への意欲を持ちながらも多様な負担を抱える実態や勤務時間が増加傾向にあることなどが浮き彫りになった。
市の研修担当者招きミドルリーダー育成
広島市立温品中学校
広島市立温品(ぬくしな)中学校(内田智久校長、生徒393人)は、数年前まで、生徒の問題行動が目立ち、基礎的・基本的な学力がなかなか身に付かない状況にあった。平成24年度に赴任した内田校長は、若手や臨時的任用教員の増加や、中核を担う教員の異動などによる学校の組織力の低下が一因であると分析。教職員の資質・能力向上に取り組むとともに、保護者や地域住民、小学校との連携を深め、生徒指導などの課題を着々と克服してきた。3年弱にわたる実践の一端を紹介する。
阪神・淡路大震災から20年 蓄積生かし進む防災教育
平成7年1月17日、兵庫県南部を震源に最大震度7の大地震が発生し、死者・行方不明者約6400人、建物の被害約70万棟という大きな被害を出した阪神・淡路大震災から本年で20年を迎える。その後も、新潟県中越地震、東日本大震災などの大きな災害が各地で発生。これらを教訓に各地の学校が防災教育に力を入れ、避難所対応が進められた。阪神・淡路大震災から20年が経過した被災地・神戸市の防災教育の取り組みはどう変化してきたのか、全国各地で進む防災教育や避難所対応などを紹介する。
発達に合わせて運動遊びを発展
0~5歳児までの指導計画作成
東京千代田区立ふじみこども園
公立園でも幼保一体型の施設が増加する中、今後もいかに研究を進め、保育の質を高めていくかが注目されている。「0歳児から5歳児まで」の発達を見通せる一体型施設ならではの取り組みや、幼稚園教諭、保育士、非常勤職員などシフトが異なる職員間での研究はまだ手探りに近い。開園6年目を迎える東京都千代田区立ふじみこども園(井上由利子園長、園児209人)が昨年12月に初めて開催した研究発表会を取り上げ、一体化施設で研究を進めるヒントを探る。
学校全体が図書館
昨年度貸し出し数1人平均137冊に
東京都荒川区立第一日暮里小学校
「学校全体が図書館」という考えの下、各教科などで学校図書館の利活用を進める東京都荒川区立第一日暮里小学校(羽中田彩記子校長、児童192人)。読み物中心の「ブックランド」、調べ学習を行う「メディアランド」の二つの学校図書館の他に、校舎内には複数の図書コーナーがある。本年度は学校図書館活動の研究を始め、9年目を迎えた。昨年度は本の貸し出し冊数が2万6千冊を超え(1人平均137冊)、毎朝始業前に、子どもたちの貸し出しの行列でにぎわいを見せているという。
「問題解決型授業」で4ステップ
問題把握→自力解決→全体検討→まとめ
全教科・道徳 主体的に考える力育む
東京・北区立飛鳥中学校
生徒の学習への主体性を引き出すアクティブ・ラーニング。東京都北区立飛鳥中学校(鈴木明雄校長、生徒253人)はその方法の一つ、「問題解決型授業」を全教科・道徳の授業で研究している。12月20日に研究発表会を開催。平成24年度からの研究成果として、同校独自の「問題解決型学習4ステップ」を導入した授業などを公開した。
6年一貫でグローバル人材育成へ
日本人のアイデンティティー重視
東洋大学附属牛久高校
本年度から始まったスーパーグローバルハイスクール(SGH)のアソシエイト校54校の一つに指定されている東洋大学附属牛久高校(遠藤隆二校長、生徒1657人)。今春には附属中学校を開校し、6年一貫のグローバル人材育成に取り組んでいく予定だ。遠藤校長に、建学の精神と教育理念を踏まえた「日本人としてのアイデンティティーをもったグローバル人材の育成」について話を聞いた。
熟議重ね「基本計画」策定へ
山口県柳井市
山口県柳井市教委では教育振興基本計画を策定するため、「市民熟議」を活用している。一般的には委員会設置の審議組織がまとめた基本計画(案)に対して、市民の意見(パブリックコメント)などの形式で市民参加を促すものが多い。だが、同市教委の場合、中学生から市民や保護者、教員などによる熟議を積み重ね、策定を目指す。人口減少などを背景に「生き残りをかけた地方の試み。コンパクトな都市だから可能」(桑原眞教育長)と、「策定プロセス」を教育への市民参画につなげる新たな取り組みにチャレンジする。