「領海」分からぬ中学生7割
半数「排他的経済水域」と混同
初の海洋リテラシー全国調査
東大研究機関
東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターは「全国海洋リテラシー調査」速報版をまとめた。小・中学生を対象に「海」に特化した初の全国調査。1月31日から2月1日に開催した第2回全国海洋教育サミットの席上で報告した。この中で、中学生に対し「領海」について問うと、正答率は25・0%と低率で、理解できていない生徒が約7割いた。2分の1が「排他的経済水域」と混同するなど、国際的な海洋スペースの区分、海洋管理の理解が不足していることが分かった。全体でも中学生は55・3%の平均正答率にとどまる。公立高校入試などにも出される類似の問題も多く含まれており、その理解不足は今後の学習指導要領論議にも影響を与えそうだ。
なぜ「TOEIC」中・高英語教諭に受検義務
和歌山県教委
和歌山県教委は新年度から、同県の公立中学校・高校の英語教諭全員に、英語によるコミュニケーション能力を評価する世界共通の検定試験「TOEIC」を受検することを義務付ける。受検料も県で負担し、教員の指導力向上を目指す。4技能を判定する外部検定試験はさまざまあるが、なぜ「TOEIC」なのか―。
その業務「公務」ですか?
不登校の児童・生徒の様子を見るため勤務時間外に家庭訪問する、公開研究会の準備のため夜間まで作業をする、子どもを見守るため休日の地域行事に参加する―。こうした場で事故などに遭遇した場合、私たちはどうしたらよいのか。また、それが公務災害として認められなかったら―。山梨県の公立小学校の中澤公人教諭(仮名、50歳代)は、担任している児童宅を訪れた際、飼い犬にかまれ、全治2週間の傷を負った。公務災害申請をしたが、事故から2年半がたった今でも、公務として認められず補償も受けられていない。中澤教諭は「私たち教職員の仕事は、公務かどうかのグレーゾーンが広過ぎる。いざというときに、何の補償もなければ安心して仕事ができない。公務災害認定の審査なども迅速・柔軟に行ってほしい」と訴える。今月25日から地方公務員災害補償基金本部で始まる審査会での再審査を前に、これまでの経緯や各自治体・支部等が示している認定基準などを紹介する。
各地で広がる「校長塾」 上
社会の変化に伴い、教育管理職に求められる資質・能力が多様化する中、各地で校長OBが現職を育成する「校長塾」のような場が誕生している(広島県、京都市の取り組みは平成26年9月15日付で既報)。今回はドラッカーの「マネジメント」をベースに経営の在り方を考える高知県の「県立学校長自主勉強会」と、同県教育センターが次世代のリーダー育成に向けて立ち上げた「高知『志』教師塾」の取り組みを紹介する。どちらも、元同県高等学校長協会会長の垣内守男さん(県教育センター企画監)が顧問として運営を支えている。
神奈川県で二つの研究大会
神奈川県内では1月下旬、公・私立幼稚園の研究大会が相次いで開催された。4月に始まる子ども・子育て支援新制度や、小学校以上へのアクティブ・ラーニング(能動的学習)導入に対応した幼児教育、より難しさが増している保護者対応、公立園での預かり保育の実施…。公・私立のどちらの大会でも、現代の園が直面するテーマを取り上げた研究内容の発表や講演があった。
体験通し生きて働く「知」を生み出す
「総合活動」各教科等と関連させた授業づくり
横浜市立日枝小学校
子どもの願いや主体的な活動を軸に、魅力ある学校づくりを進める横浜市立日枝小学校(大内美智子校長、児童714人)。その特色の一つが、総合的な学習の時間や生活科を中心に、各教科等と関連を図った授業づくりだ。同校では「総合活動」と名付け、体験を通して生きて働く「知」を生み出す学びを追究している。地域にある商店街との関わりから生まれた「日枝まるパン」などの取り組みを紹介する。
キャリア教育でディベート合戦
さいたま市立西原中学校
「生徒一人ひとりが主体的に取り組む進路学習の工夫・改善」をテーマに本年度、キャリア教育の研究を行うさいたま市立西原中学校(赤木完治校長、生徒348人)。1月14日の研究協議会で、生徒の主体性を高めるディベートとキャリア教育を組み合わせた授業が公開された。授業では「働く意義」について、論戦を繰り広げながら考えを深める生徒の姿があった。
離島のハンデを克服 特別支援教育充実へ
香川・小豆島町教委「瞳(アイ)ランドプロジェクト」
香川県小豆島町教委が平成26年1月から、町内の小学校4校と中学校1校、さらに県立高松養護学校小豆分室をインターネット会議システムでつないで研修などを行う「瞳(アイ)ランドプロジェクト」をスタートさせた。ICTを活用することで離島の大きな課題である距離的・人的制約を解消し、各校における特別支援教育をより一層充実させている。
制服のリユースを橋渡し
駅前に常設の「バンク」
栃木県足利市
まだ使えるのに不要になった制服やランドセル、体操服を必要としている人たちに橋渡ししようと、栃木県足利市では消費者団体が中心となって、足利市駅から徒歩1分かからないビルの一角に「制服リサイクルバンク」を設けている。スカート、詰め襟学生服それぞれ1着が千円前後、ランドセルは数百円。新入学を控えた季節はもちろん年間を通して次々と売れていく。栃木県内外の自治体議員らが関心を寄せ、同様の仕組みを設けられないか模索している。