道徳教科化「反対」6割以上
「評価が困難」理由で最多
市区町村教育長に本社調査
教育再生実行会議の提言を受けて文部科学省が検討作業を続けている「道徳の教科化」について、全国の市区町村教育長のうち、63・0%が反対の考えであることが日本教育新聞社の調べで分かった。この他、第2次安倍内閣が掲げた主な教育政策について書面アンケート方式で意見を求めたところ、土曜日の扱いは、「学校で授業を受けることが望ましい」「各家庭・児童の判断に委ねることが望ましい」がそれぞれ4割ほどだった。(4、5面に詳報)
東京都中学校長会が総会・研究発表会
東京都中学校長会は4月23日、都内で定期総会・研究発表会を開催した。総会では堀米孝尚会長の退任に伴い、中村一哉・府中市立府中第五中学校校長が会長に就任した。研究発表会では常盤隆・同会教育対策部長らが全校を対象に実施したアンケート調査の結果を公表。平成24年度の定期人事異動について「満足」している割合が6割弱に上ることや、教員間の持ち時間数の差が「10時間以上」とする割合が5割を超えていることなどが明らかになった。
教委制度変更「不要」が3割 道徳教科化で「いじめ改善」少なく
「アベデュケーション」に期待と戸惑い
市区町村教育長アンケート
一部では、「アベデュケーション」と呼ばれる第2次安倍内閣の教育政策。日本教育新聞社が先月、全国の市区町村教育長を対象に行ったアンケート調査からは、期待とともに戸惑いが見える結果となった(1面参照)。道徳の教科化では「反対」が6割、教委制度の変更は「不要」が3割、土曜授業の再開では、賛否が4割ずつ。記述欄に寄せられた声は、現在の制度が十分に機能するような施策を進めるべきだとする意見が目立った。
「森の日」の活動で 自然の変化を体感
好奇心を培い園内に好影響
東京・葛飾区 砂原保育園
東京都葛飾区の(社福)砂原母の会・砂原保育園(高橋広美園長、園児97人)は四季の自然の変化を体感できるように、1年を通して「森の日」の活動に取り組む。年長児を対象にした自由参加による活動。「関さんの森」と呼ばれる自然をそのまま残した屋敷林を舞台に繰り広げられる活動が、園内の子どもたちの活動にも好影響を及ぼし、日々の保育をさらに豊かなものにしている。
アニメを活用し教育事業展開
教委と連携して指導者向けガイドも
東京・練馬区
日本アニメーション発祥の地とされる東京都練馬区。プロのアニメーターなどを講師に招き、地場産業のアニメの魅力を伝える教育事業を行っている。教育委員会と連携し、指導者向けの「ティーチャーズガイド」も作成。昨年度、経済産業省が主催する「第三回キャリア教育アワード」では大賞を受賞するなど、その取り組みが高く評価されている。
「総合」で養う人間関係力
国際交流、スピーチ、グループ研究など体験活動重視
横浜市立南高等学校附属中学校
「6年後の自分の姿を思い描く」―。横浜市立南高等学校附属中学校(高橋正尚校長、生徒320人)では、将来必要になる人間関係づくりや論理的思考力を総合的な学習の時間で育てている。この「総合的な学習」との関連も意識し、高い学力を身に付ける上で9教科全てに力を入れる。家庭学習にも重点を置き、生徒一人一人が「わたしの週プラン」(家庭学習計画表)を作成する。1人当たりの平日1日の勉強時間は75分。保護者からは、「部活などで時間がない中、うまく勉強する習慣が身に付いている」などの声が上がっているという。
ビジネスコミュニケーション検定 創設
7日から申し込み受け付け
全国商業高等学校協会
社会人として求められるビジネスマナーやコミュニケーション能力の習得を確認する指標として、(公財)全国商業高等学校協会(全商)が本年度から新たに「ビジネスコミュニケーション検定試験」を実施する。簿記や情報処理など、ビジネスの専門スキルに関する検定を数多く運営、実施している同協会。そのノウハウと実績を生かした新検定は、商業科に限らない全ての高校生を対象とした内容となっていることから、今後の活用に大きな注目が集まりそうだ。
障害ある子に運動の楽しみ
地域スポーツクラブ5府県で「教室」開設
発達障害などにより、学校の体育の授業が苦手な子どもたちを対象に、スポーツの基礎とその楽しさを教えているNPO法人スマイルクラブ(千葉県柏市、大浜あつ子理事長)。大学生などボランティアの力を得て学校開放などを利用、週に1回の頻度で参加できる教室を千葉県、大阪府、熊本県などで開いている。自治体との協同事業として、体育の授業も支援。スポーツが好きな若者の雇用の場としても定着しつつある。