子育て新制度 満足度にばらつき
こども園は5割超が肯定
本社調査
4月に始まる子ども・子育て支援新制度への現場の評価が、幼稚園、保育園、認定こども園ごとに大きく異なることが、日本教育新聞社の全国調査で分かった。新制度への満足度は幼稚園が最も低く、5割以上が「どちらかというと不満・大いに不満」と回答。次いで保育園、認定こども園の順に上がり、認定こども園では「どちらかというと満足」は5割を超えた。
思考力測る新テスト模索
大学入試改革で初会合
文科省専門家会議
高校と大学に導入する新テストの具体的な在り方を検討する「高大接続システム改革会議」(座長=安西祐一郎・(独)日本学術振興会理事長)の初会合が5日、文科省で開かれた。高校の基礎学力テストや大学入試センター試験に替えて実施する新たなテストの問題などを話し合い、年内に最終報告をまとめる。中央教育審議会が同様の入試改革を提言してから既に16年。今回は文科省側の実行性が問われることになる。
新制度目前 幼・保・こども園に聞く 上
本社調査
日本教育新聞社が今年2月、全国700カ所の幼稚園・保育園・認定こども園を抽出して実施し、約1割から回答を得た「子ども・子育て支援新制度等全国調査」。新制度に関する内容以外に、「子どもの声」をめぐる問題や保護者対応の問題の有無やその対応方策についても聞いた。都市部を中心に一部から「騒音」と受け止められ、社会に波紋を広げている「子どもの声」について、近隣住民から騒音の苦情を受けたことがある園が3割近くあった。保護者対応についても半数以上が困難を感じていることが分かった。
全日本中学校長会26年度調査研究報告書
全日本中学校長会(会長=松岡敬明・東京都武蔵野市立第一中学校校長)はこのほど、平成26年度調査研究報告書をまとめた。教育研究部(部長=岩永章・東京都新宿区立新宿西戸山中学校校長)は教育課程の編成・実施などに関わる課題を、生徒指導部(直田益明・東京都世田谷区立北沢中学校校長)は健全育成やLINEなどをめぐる課題や部活動の現状などについて調査した。
学力向上・環境美化・ボランティア活動を柱に
裁量広げ教職員に自主性
広島・福山市立誠之中学校 学校改善の取り組み
数年前まで、生徒指導上の課題が目立ち、県の「基礎・基本」定着状況調査では市内36校の中で最下位だった広島県福山市立誠之中学校(岡野英俊校長、生徒601人)。平成24年度に赴任した岡野校長は、教職員に「何年かけてでもトップになる」と宣言。「学力向上・環境美化・ボランティア活動」を重点課題に据え、教科指導や生徒指導の充実に努めてきた。現在は落ち着いた雰囲気が続いており、学力調査でベスト10入りを果たした他、暴力行為などもゼロになった。これらの成果を受けて同校は本年度、広島県教育奨励賞を受賞。新体力テストの結果も大幅に改善され、県「体力つくり奨励賞」も受賞した。岡野校長の経営手法を紹介する。
新制度目前 幼・保・こども園に聞く 下
本社調査
2月に実施した日本教育新聞社(1、3面参照)の全国調査では、多くの園が人材面で悩む現状がうかがえる。4月から始まる子ども・子育て支援新制度を踏まえ、いかに保護者と共に子どもを育んでいくか。東京家政大学の増田まゆみ教授、大妻女子大学の岡健教授に聞いた。記述意見も併せて紹介する。
餃子鍋給食 全学年の児童がテーブル囲んで
豊かな人間関係に
宇都宮市立城山西小学校
「餃子(ギョーザ)のまち」として知られる宇都宮市。昨年10月、市内全小・中学校で初めて「餃子献立」の給食を実施したことで話題になった。特色ある献立の一つとして、同市立城山西小学校(木村寛之校長、児童91人)にあるのが餃子鍋給食。1~6年生がグループを組み、テーブルを囲んで鍋をつつく。上級生が下級生の面倒を見たり、下級生はその姿を見ながら育つ。食べることを通じて、子どもたちの人間関係も豊かになっているという。
指導と評価の一体化に重点
東京都小学校国語教育研究会 研究大会で授業提案
東京都小学校国語教育研究会(会長=遠藤真司・練馬区立光が丘夏の雲小学校校長)は2月20日、文京区立窪町小学校で第25回研究大会を実施した。参加者は約500人。「言葉の学び手が育つ国語教育の創造」の研究テーマは、本年度で最後になる。「指導と評価の一体化」に重点を置き、四つの研究部会が提案授業を行った。このうち、「作文部」と「言語部」の実践内容について紹介する。
不登校対策などで「小中一貫」を研究
宇都宮市立陽東中
平成24年度から全市的に小中一貫教育に取り組む宇都宮市。22年度からモデル校として小中一貫教育を研究してきた同市立陽東中学校(佐々木徳志校長、生徒840人)がこのほど、これまでの研究結果をまとめた。教員間の認識の差が問題行動の解消を阻む要因になっているため、その解消に努めた。
生き方のヒントやマナー、HPで発信
埼玉県立浦和商業高校
「一番大切な人は誰ですか?」「感情『で』伝えるのではなく、感情『を』伝える」「頑張らず目標を達成する秘訣」―。埼玉県立浦和商業高校(梶寛治校長、生徒719人)がホームページ(HP)を通じて、コミュニケーションやマナー、人としての生き方などについての話題を発信し続けている。在校生や入学希望者など中・高生に向けて語られるメッセージには、同校が日々の学校生活の中で大切にする教育への姿勢が読み取れる。
一人親家庭の子を民家で預かる
栃木・日光市のNPO
さまざまな事情を抱えた母子家庭などを対象に栃木県日光市内のNPOが1年365日、改装した民家で小学生らが夜まで過ごす場を設けたところ、利用が拡大している。里親の経験が豊かなNPO代表を中心として時に虐待、育児放棄の兆候がある母親とも向き合い、民間ならではの手を打っていく。支援策を学ぼうと児童委員が年間に何組も訪ねてくるという。