算数・数学で調査 研究授業の形骸化指摘
小中高教員 1割以上実施せず
東京学芸大
東京学芸大学「国際算数数学授業研究プロジェクト」(代表=藤井斉亮教授)はこのほど、「研究授業実施状況に関する調査」の結果を発表した。それによると全国の小・中・高校で、平成23年度に算数・数学の研究授業を参観も実施もしていない教員が1割以上いたこと、終了後の協議会を行わなかった授業も一定数あったことが分かった。教員の研究授業に対する目的意識や学ぶ成果が、学校種間で異なることも明らかになった。
「学力回帰」へ高校入試改革
質担保に危機感
高校入試が全国的に「学力回帰」に振れようとしている。多様化路線を進めてきた高校教育に質保証の課題が突き付けられたためだ。入試動向の変化をどう見ているのか。中学・高校の関係者、民間の教育機関それぞれに聞いた。
災害復興シンポで取り組み報告
日本教育経営学会が大会
日本教育経営学会(会長=牛渡淳・仙台白百合女子大学教授)は6月7日から3日間、筑波大学で第53回大会(大会準備委員長=浜田博文・筑波大学教授)を開催した。大会では、「災害復興と教育経営の課題と方策」や「教育経営における『つながり』の再構築―子どもの成長を支援する多様な協働へ―」と題したシンポジウムや、自由研究発表などがあった。
保育の社会人講座が好評
現職の学び直しに
お茶の水女子大学
お茶の水女子大学は社会人などを対象にした保育リカレント講座「変革期の乳幼児教育・保育を考える」を開講し、現職保育者などの学び直しの場として好評だ。科目等履修生制度を活用し、条件を満たし修了すれば、正式な単位として認定する。男性保育者なども増加しているため、女子大内の事業とはいえ、男性にも受講の門戸を開く。保育現場での課題を抱えた受講者が大学での学びからヒントを得て、日常の仕事に還元できる良さがある。前・後学期に分け、夜間と集中講義の方式を採るため、多忙な現職保育者などが息長く、学び続ける例も少なくない。
泳力異なる3人集め学び合う
東京・中央区立久松小学校
6月末ごろから取り組み始めるプール指導。時期が夏に限られ、時間数が少ないことから教師主体の一斉指導になりやすい。東京都中央区立久松小学校(酒井寛昭校長、児童435人)では、3人の泳力が異なる小集団による「学び合い」を取り入れている。1人が泳ぎ、残りの2人がその様子を見て良いところや課題点を指摘する。教師が個別に指導するのは時間的にも難しい。友達のアドバイスなどを意識して泳ぐことにより一人一人の学習の質も高まっているという。
「教科化」めぐり鼎談
日本道徳教育学会が大会
日本道徳教育学会は6月22日から2日間、国学院大横浜たまプラーザキャンパスで、第81回大会を開催した。中央教育審議会などで道徳の「教科化」の検討が始められている中で、「これからの道徳教育が進むべき道を問う」をテーマに掲げ、昭和女子大の押谷由夫教授をコーディネーターに、武蔵野大の貝塚茂樹教授、上越教育大の林泰成教授、東京学芸大の永田繁雄教授らが鼎談(ていだん)した。登壇者それぞれの考え方が示され、秋に予定する研究大会でさらに検討を深めることになった。
主体的に未来切り開く力を
埼玉県立越谷北高校
学力向上とともに、チャレンジ精神、忍耐力、共感力、公共心といった素養を身に付け、主体的に未来を切り開くリーダーとなる人材の育成を目指し、埼玉県教委が本年度から「未来を創造するリーダー育成推進プロジェクト」事業を開始した。指定校の一つに選ばれた県立越谷北高校(下山忍校長、生徒1166人)では6月18日、3年生を対象に「7つの習慣」に基づく自己リーダーシップの重要性についての講演が行われた。
生徒の企画でPTA研修旅行
京都府
PTAの研修旅行を生徒と一緒に企画する―。商業高校が前身の京都市内の高校が本年度、こんな試みを始めた。どうしたら保護者に満足してもらえるか、生徒は4月からさまざまな情報を集めて旅行プランを作り、5月にはPTA役員に選んでもらった。10月の旅行当日は、生徒が研修旅行の訪問先で案内役を務める予定。保護者の間には研修旅行への関心が高まり、例年以上の参加者が集まりそうだという。