約半数「仕事続くか不安」
小学校教員の意識二分
NPO調べ
教師の仕事を続けることに不安がある―。小学校教員の約半数がそんな気持ちを抱えているという調査結果を教材出版の(株)日本標準の研究所「NPO日本標準教育研究所」(理事=増田修治・白梅学園大学准教授)がまとめた。一方で不安感のない教員もほぼ同じ回答割合で、教員意識の二分化が起きている実態が浮かんだ。
公教育の改革に期待と不安
学習塾など民間教育事業者
本社調査
日本教育新聞社が学習塾をはじめとする民間教育事業者を対象に行ったアンケート調査では、第2次安倍内閣の下で進もうとしている公教育の改革について期待と不安が入り交じる結果となった。グローバル人材の育成を目指して充実を掲げる英語教育では、小学校の外国語活動の教科化に関して賛否が割れた。道徳の教科化では、賛成が4割を超えたが反対も3割を超えている。現行学習指導要領で充実させようとしている活用力、言語活動に関しては向上していないとの見方が多かった。(1面参照)
文科省 新幹部に聞く
文科省の新幹部へのインタビュー。7月22日付の次官、文化庁長官に続き、各局局長などに今後の検討課題を聞いた。政府の教育再生実行会議が矢継ぎ早に提言をまとめる中、その実現に向けた具体策が挙げられた。
フィンランド流 思考力鍛える言語活動
「図鑑」や「新聞」作りで論理的思考力
日本の取り組み報告
(公財)理想教育財団は4日、「メルヴィ・ヴァレ先生を囲む会」を催した。メルヴィ氏はフィンランドの言語教育の第一人者。学習指導要領作成に関わり、国語教科書を執筆する。特に、その教育メソッドは国際学力調査で好成績を収めるフィンランドのPISA型読解力の得点を押し上げたと言われる。メルヴィ氏から言葉の力を付け、思考力を鍛える教育メソッドのポイントを聞いた。同時に、日本国内の教員から言語活動を充実させている国語実践が報告された。メルヴィ氏と親交がある早稲田大学の田中博之教授が通訳し、司会は日本教育新聞社の矢吹正徳編集局長が務めた。
全国公立学校教頭会研究大会 上
全国公立学校教頭会(会長=石黒茂・千葉県鎌ケ谷市立鎌ケ谷小学校教頭)は7月29日から3日間、平成25年度研究大会大分大会(実行委員長=溝部美和子・大分市立明野東小学校教頭)を大分県別府市で開催した。大会主題は「豊かな人間性と創造性をはぐくむ学校をめざして」。特別分科会を含めた7分科会で副校長・教頭の職務の在り方などについて研究・実践報告を行った他、「自立・協働・創造する学校をつくる」をテーマにしたシンポジウムなどがあった。
子どもの「自発性」大切に
多彩150例「遊び集」が好評
佐賀大学文化教育学部附属幼稚園
佐賀大学文化教育学部附属幼稚園(田中嘉生園長、園児83人)が作成した「遊び集」が好評だ。保育者が主導した遊びではなく、子どもたちの間から自然発生的に生まれた遊びを紹介したものだ。年少・年中・年長それぞれの1年を5期に分け、遊びが始まった時期から終わった時期、遊びが展開された場所などを明示。遊びの内容や、幼稚園教育要領に盛り込まれた該当領域との関連なども掲げた。新たに同園に異動してきた教員だけでなく、参観に訪れる保育者養成校などからも参考になると、ニーズも高い。
できる喜びが学習意欲に
全国小学校体育研究連盟が全国集会
全国小学校体育研究連盟(山本隼彦会長)は2、3の両日、神戸市内で第57回全国集会を行った。参加者は約850人。同市には市内全小学校教員が所属する「神戸市小学校教育研究会」があり、体育部は「陸上運動」や「器械運動」などの8領域で構成されている。このうち、「ボール運動領域部」が報告したシュートにこだわるバスケットボールの実践などについて紹介する。
「被災地へ」「被災地から」訪問
全国修学旅行研究協会の大会で実践発表
(公財)全国修学旅行研究協会は7月30日、都内で研究大会を開催した。同協会は昨年から「学びの集大成を図る修学旅行」を目指し、学校での学習から、子どもたちの「感性」を高めることへ結び付ける修学旅行を推進している。加えて今大会では「被災地」に目を向け、「被災地への修学旅行」「被災地からの修学旅行」の二つの実践発表があった。
「サポステ」と連携 進路決め 送り出したい
定時制・通信制 東京都立一橋高校
不登校経験者や全日制高校からの転学者などを多く受け入れ、「学びのセーフティーネット」としての役割が高まっている高校の定時制・通信制課程。厚労省は今年4月、若者の職業的自立支援を行う地域若者サポートステーション(以下、サポステ)と定時制・通信制課程を中心とした学校との連携を一層強化し、高校在学中から切れ目のない支援体制を構築することを文科省に依頼した。定時制と通信制の両課程を設置する東京都立一橋高校(山中豊校長、生徒1420人)では、2年前からサポステと連携し、日頃の教育活動に生かしている。
廃校使った体験施設で 不登校の子どもたちが「夏合宿」
相模原市
不登校状態の小・中学生や集団生活が苦手な小・中学生が夏休み期間中に合宿し、仲間と過ごすことの楽しさを味わうとともに、新しいことに挑戦する相模原市教委の事業が3年目を迎えた。不登校の子どもが学校の代わりに通っている「適応指導教室」で参加を勧められるなどして、今夏も30人余りが廃校舎を活用した自然体験施設に集まった。過去3年間の事業の結果、学校に通うようになった子どもが現れ始めている。