首長に権限一元化「中立」保てるか
教委改革 方向固まる
文科省が中央教育審議会で検討している教育委員会改革をめぐり、地方教育行政の権限を事実上、首長に一元化する方向で議論を固め始めた。教育長を首長の補助機関に組み込む一方、首長の日常的な指揮監督を制限することで教育行政の中立性を保とうという仕組みだ。ただ、直属の上司となる首長との関係で「中立」は保てるか、専門家からは疑問の声も上がる。政治的問題が学校現場に直接影を落とすという懸念も指摘される。
「全国学テ」学力UPの決め手は
本年度の全国学力・学習状況調査の結果を受けて文科省が「着実に改善してきている」と評価する高知県。全国平均正答率が最低水準だった状態を脱し、小学校は国語A・B、算数A・B(以下、4教科)のうち算数Bが全国平均を下回ったものの、他は全て上回った。中学校は依然課題を残すが、4教科とも改善傾向が続き、全国水準に迫る。同県では生活習慣の改善、指導の組織化などに継続的に取り組んできた。今回の調査で学力を押し上げた自治体での決め手は何か―。
大阪市の民間人校長囲みシンポ
今後の在り方を議論
関西こども文化協会
民間人校長やこれからの学校教育のあるべき姿を探ろうと、NPO法人関西こども文化協会(理事長=松浦善満・和歌山大学教授)は9月21日、大阪市内で「民間人校長とともに『民間人校長』を考える」と題したシンポジウムを開催した。大阪市の民間人校長を囲んで、現状と課題、今後の在り方などを議論した。
林や丘に一工夫 自然と触れ合える場に
関心高まるこども環境管理士
幼稚園や保育所での環境教育への関心が高まっている。その一方で、活動の規模は小さく、保護者の理解が得にくいという課題もある。活動の質と量を確保するため、幼稚園教諭や保育士自ら環境教育を推進するための民間資格を取得するケースが目立ってきた。(公財)日本生態系協会が認証する「こども環境管理士」もその一つ。旧・環境教育推進法(平成15年制定。現・環境教育等促進法)に規定された人材認定等事業に登録されているもの。この資格を取得した保育者たちが取り組む活動とは―。
言語能力向上へ多彩な工夫
3年目迎えた東京都教委の推進事業
東京都教委が平成23年度から取り組んでいる「言語能力向上推進事業」が3年目を迎えた。学習指導要領や子どもたちの実態などを踏まえて開始した取り組みで、研究指定を受けた学校では、読書活動や学校図書館を活用した授業など、言語活動を充実させる上でさまざまな工夫を凝らしている。初年度、指定を受けた小学校は39校。このうち、研究発表を控えた台東区立谷中小学校(神田しげみ校長、児童311人)と北区立赤羽小学校(本間正江校長、児童543人)の2校の取り組みについて紹介する。
「総合」で食のプログラム
「震災時」意識し野外炊事
東京学芸大附属世田谷中の3年生
電気やガス、水道が使えない非常時、どうやって生活する? 東京学芸大学附属世田谷中学校(菅野敦校長、生徒480人)のテーマ研究授業「生活を科学する」は本年度、震災を意識し「食」に焦点を当てたプログラムを展開している。9月20日、授業を選択している3年生たちが国立オリンピック記念青少年総合センター内の研修施設を活用し、野外炊事に挑戦した。避難時にも簡便に調理できるレシピ計画を立て、事前に校内の家庭科室で試作した後、自分たちでかまどを作り、火をおこし、実際にできるかを検証した。
キャリアの「段位」高校から積み上げ
食の6次産業化プロデューサー
内閣府認定制度
平成24年秋から、新たに内閣府による実践的な職業能力の評価・認定制度(キャリア段位制度)が始まった。そのうちの一つ、「食の6次産業化プロデューサー(食プロ)」は、農林漁業者や食品・外食産業、流通・小売業者などを対象に、生産から企画・販売まで食にトータルに関わる人材のキャリア・アップを支援する資格制度。事務局では、専門高校の学びに同資格の「育成プログラム」をリンクさせることで、成長分野における中核的役割を担う高度な専門人材の養成につなげていきたい考えだ。
小学校に大型テレビ内蔵の黒板
県外から視察相次ぐ
埼玉県上尾市
築約50年の校舎を全面的に建て替えた埼玉県上尾市内の小学校が、県外の自治体議員らから関心を集めている。教室の前側に備えた黒板は引き戸のような形状で、閉じた状態であれば従来通り、チョークを使って黒板全体を使って板書し、中央部の黒板を左右に開くと大型テレビが現れる。板書をしつつ、画面に動画を映すなどして児童の理解を促す。国語や算数であれば9割以上の授業で大型テレビを使う。