ALに意欲的な子ほど好成績
実現できている手応え 教員と認識に開きも
全国学力・学習状況調査
文科省が9月29日に公表した全国学力・学習状況調査の結果で、授業で能動的な学習(アクティブ・ラーニング、AL)を行ったと回答している児童・生徒ほど、平均正答率は高い傾向にあることが分かった。ただ、アクティブ・ラーニングの実現についての実感で教員と児童・生徒の間で隔たりも見られた。(3面に結果の詳報)
全国学力・学習状況調査の結果
平成28年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表された。今回は国語と算数・数学の2教科で実施。根拠に基づき考えを説明するなどの記述問題に、引き続き課題が見られた。一方、家庭の経済環境と学校の指導、学力の関係について初めて調べたところ、経済状況にかかわらず、指導改善が大きな成果を生んでいることも分かった。また、本年度の調査は、熊本地震の影響で4月の調査を延期した熊本県の全ての小・中学校と宮崎・大分の一部の学校の結果は集計に含めなかった。(1面参照)
「だれもが行きたくなる学校」で研修
東北連合小学校長会研究協議会の報告から
「協同学習」「ピア・サポート」など全小・中で
山形・米沢市
誰もが行きたくなる学校はどうしたら実現できるか―。こんな問題と向き合おうと山形県米沢市は平成26年度から「だれもが行きたくなる学校づくり研修会」(「だれ行き研」)を実施している。子ども同士で助け合って学習する「協同学習」、支え合う活動を通して思いやりの心を育てる「ピア・サポート」、相手の感情を理解し、自分の感情をコントロールする「SEL(社会性と情動の学習)」などを学び、全小・中学校で実践する。校長会もこの取り組みを推進しており、徳間健・同市立塩井小学校校長がこのほど開かれた東北連合小学校長会研究協議会岩手大会で現状を報告した。
保育界に新風吹き込む
こどもみらいラボフォーラム初開催
子ども・子育て支援新制度の開始や、待機児童問題を背景として、保育界への社会的な注目が集まっている。そんな中、保育事務支援のアプリを開発したリクルートマーケティングパートナーズが中心となった「こどもみらいラボ」が、このほど初めての保育フォーラムを開催。新しい園経営や、保育を社会に広げる活動などを模索してきた保育界の「イノベーター」3人が登壇した。
口伝の民話 方言・英語で発信
「電子紙芝居」にまとめる
岩手・八幡平市立寺田小学校の「総合」
遠野市の民話伝承で知られる岩手県。同県八幡平市の市立寺田小学校(佐藤謙二校長、児童67人)は昨年度から地域に伝わる民話を掘り起こし、英語に翻訳するなどして、コンピュータ上で音声と絵を視聴する「電子紙芝居」にまとめて市内外に伝える教育実践を始めた。岩手県内も諸外国からの旅行客が増える中、地域社会の伝承を語れる人を育てようと本年度も児童、教員、住民が連携を深め、努力を続けている。
聖火リレー、各競技を「集団創作ダンス」に
体育大会で「オリ・パラ教育」
東京・稲城市立稲城第三中
東京都の全校実施に先駆けて昨年度から、全小・中学校でオリンピック・パラリンピック(オリ・パラ)教育を実施している稲城市教委はこのほど、推進2年目の実践の中間報告会を開催した。実践を発表したのは、稲城第三中学校(橘太造校長、生徒456人)。体育大会の種目変更に関して成果と課題を挙げた。
特別支援学校が台湾に修学旅行
千葉県・流山高等学園
千葉県立特別支援学校流山高等学園(向野光校長、生徒279人)の3年生が今年4月19~22日、修学旅行で台湾を訪れた。県内の特別支援学校では初となる海外への修学旅行。道路表示やコンビニエンスストアの店内に並ぶ商品、鉄道など、日本とは似て非なる生活や異なる文化・価値観を持つ人々との出会いを通じて、生徒たちは互いに絆を深め、自らも大きな自信を得ることができた。
コミュニティ校 高校にも広がり
公立小・中学校を中心に増え続けてきたコミュニティ・スクールが高校、特別支援学校の間にも広がりつつある。少子化に伴う廃校の危機を跳ね返すための切り札として、あるいは教職員とは違った知識、技能、経験を持つ人たちの協力を得て生徒を育むための場としてこの仕組みが活用されている。全ての県立高校をコミュニティ校へと計画する教委も現れるようになった。