高校での通級指導へ支援学校と人事交流
都道府県の教職員人事
各都道府県や政令指定都市がこの春に実施した教職員人事では、さまざまな課題に対応しようと、特色のある異動が実施された。通級指導の高校への導入に向けて特別支援学校との人事交流や、教員の「働き方改革」に向けて人事面の取り組みなどを進めた教委があった。被災地の教育復興に向けた対応もあった。
小・中全教員にLGBT研修
シンポ 当事者や担任経験者ら登壇
千葉・柏市教委
千葉県柏市教委は本年度から3年間で、全62小・中学校の全教員約1700人に対し、性的少数者(LGBT)の実態を知ってもらうため研修を行う。LGBT当事者の児童・生徒から性の在り方について伝えられた教員が、許可なく他人に広める「アウティング」を防ぐ狙い。この他にも、身体の性別に合わせて振る舞うよう指導するなどで、教員が当事者に心理的苦痛を与えることがないようにする。
法改正でこう変わる 国会審議から
開会中の国会では、世間の注目を集める審議が大きく報じられる一方、教育界にとっては、学校運営協議会の議題に「学校支援」を加え、コミュニティ・スクールへの移行を努力義務にするなど今後の学校の在り方を左右する重要法案が可決・成立した。施行は今月から。国会質疑の模様から分かってきた新しい学校教育の姿をまとめた。
生き生きと遊びたくなる環境構成
体力向上やインクルーシブでも大切に
神奈川・秦野市立北幼稚園
学びと育ちの連続性を大切にするため、幼小中一貫教育を進めている神奈川県秦野市教委。同市では、「人づくりの基本は幼児教育にあり」と大正4年から幼稚園教育を推進しており、市立幼稚園9園が特色のある幼児教育に取り組んでいる。市立北幼稚園(山口由美子園長、園児143人)は、子どもが生き生きと遊びたくなる環境構成に力を入れ、運動遊びやインクルーシブ保育の場面でも大切にしてきた。
資質・能力をベースに主体性育む
新教科「12世紀スキル科」開発
東京・町田市立鶴川第二小学校
文科省研究開発学校の指定(平成27~30年度)を受ける東京都町田市立鶴川第二小学校(後藤良秀校長、児童563人)では、「21世紀型能力」の育成を目指し、新教科「21世紀スキル科(スキル科A、スキル科B)」の開発に取り組んでいる。各教科などの指導で「資質・能力」がベースとなる次期学習指導要領。後藤校長は「一般の公立学校で能力開発の研究提案をすることに意味がある」とし、「各学校で共有し、具体的な実践をたたき台にしてもらえれば」と期待を寄せている。
年間通じ図書室で学ぶ
本に親しみ、体系的に言語スキル習得
中1「思考と表現」の授業
トキワ松学園中学校高校
「第二の教室」として、図書室を読書習慣の定着や教科指導に積極的に活用しているトキワ松学園中学校高校(東京都目黒区、中山正秀校長、生徒561人)。平成28年度から新たに、中学1年生が年間を通じて図書室で学ぶ「思考と表現」の授業を始めた。専任の司書教諭2人が授業を担当し、生徒たちは信頼できる資料を検索する力や日本語を論理的に書くスキルなどを身に付けている。
社会課題を解決するアイデア競う
高校生らが地域や社会が抱えている課題の解決を図るプランを競うコンテストが3月下旬、相次いで開かれた。参加した生徒たちは、学校や地域の枠を超えてより良い社会づくりに向けた熱い思いを共有するとともに、新たな視点や仲間も得ることができたようだ(学年は3月当時)。
ベテラン委員が語る「地域と学校」
第2回
民生委員制度創設から100年を前に経験豊かな民生・児童委員が本社に集まり、「地域と学校」について語り合った。今回は、委員として力を入れてきたことなどを記事にまとめた。(敬称略)
次期指導要領作成を前に 先行する高校英語改革
高校の次期学習指導要領をめぐっては、基本的な教科・科目の大きな再編が予定されている。その一方で、既に高校での英語は現行学習指導要領での「授業は英語で行うことを基本」、高大接続改革と連動した「4技能重視」の大学入試の先取りなどによって、実質的な改革に取り組む状況が生じている。こと英語に関しては、平成25年12月に文科省が公表した「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を、高校に限らず、小学校の外国語科を含め次期学習指導要領が後追いをしている格好だ。その後にまとまった中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(28年12月)なども踏まえると、改革はどこまで進むか―。
新しい職場に慣れるには
新年度が始まった。初めて異動を経験した人はもちろん、ベテラン教員も赴任先の学校文化に慣れなかったり戸惑ったりすることもあるはずだ。新しい環境に慣れるためには、どんなことに気を付けたらよいのだろうか。異動にまつわる経験を聞いた。