移行措置 英語、「総合」への振り替え 賛否保留が半数
賛成3割
市区町村教育長
本社調査
来年度から小学校で英語に関する授業を増やす一方、時数捻出のため総合的な学習の時間を充てることを容認した文科省の指針について全国の市区町村教育長の約半数が賛否を保留し、「賛成」は32・2%、「反対」は13・6%だったことが日本教育新聞社の調査で分かった。実際に来年度から英語に関する授業時数を生み出すため、「総合的な学習」を充てるとした回答は半数を超えた。その一方で、条件整備をおろそかにしたまま、次期学習指導要領で授業時数を増やすことに対する厳しい意見が目立った。(4面に調査方法と詳報)
学習指導要領Q&A 何が変わる
小学校編 下
新しい学習指導要領で小学校の教科等はどう変わるのか。Q&Aの後編は理科や算数、教科化された外国語などを取り上げます。
時数増える次期指導要領に戸惑いと憤りの声上がる
市区町村教育長に本社アンケート
まだ、先のことと構えていたら間に合わない―。小学校で英語に関する学習を拡充させ全体の授業時間数も増やす次期学習指導要領は、移行措置により来年度から、そうした核心部分の実施が求められている。市区町村の教育長に尋ねた本社調査では、戸惑いながらも、「総合的な学習の時間」の削減を容認する意見が過半数に達した。条件整備が不十分なまま授業時間数を増やしたり教育内容を改めたりすることには憤りの声が上がっている。(1面参照)
校長・経験者に聞く不祥事ゼロの学校づくり
人を大事に、誰とでもコミュニケーション
不祥事のない学校はどうしたら築けるのか―。一度でも発生すれば、子どもや保護者、地域からの信頼が揺らぎ、学校運営に多大な影響を及ぼすため、管理職にとって悩ましい問題だ。さまざまな問題が発生する学校がある半面、長期間にわたり不祥事ゼロを維持する所もある。こうした学校の校長に理由を尋ねると行動特性に共通項があった。その内容を紹介する。
「もっとおもしろく」で広がる遊び
奈良市立都跡こども園
ソニー幼児教育支援プログラム 最優秀園実践発表会
「『もっとおもしろく』で広がる遊びの世界―夢中になって遊ぶ姿を見つめて」をテーマに、子どもたちが主体的に「ひと・もの・こと」に関わり「もう1回」「もっとやってみよう」という意欲を持って遊び込む中で主体性と創造的な思考力を育てる保育の研究を進めている、奈良市立都跡こども園(杉本絹子園長、園児159人)。7月8日に実践発表会を開催し、平成28年度ソニー幼児教育支援プログラムの最優秀園に選ばれた取り組みを紹介した。
広がる森林環境教育の輪
「学校の森・子どもサミット」開催
愛知・豊田市で
子どもたちの「生きる力」を育み、森林環境教育の輪を広げようと、公益社団法人国土緑化推進機構や(公財)ニッセイ緑の財団などで構成された学校の森・子どもサミット実行委員会は7月25日、愛知・豊田市福祉センターで「学校の森・子どもサミット」を実施し、約240人が参加した。同サミットでは小学校児童による活動事例の報告の他、ワークショップ型の分科会では参加者による身近な自然を生かしたカリキュラムづくりなどが行われた。参加者からは「発達段階を考慮し、扱う内容に系統性を持たせるという視点はとても参考になった」などの感想があった。
「共通テスト」モデル問題例に対応
(株)ナガセ・本社主催 全国セミナー始まる
全国12会場で展開する夏の教育セミナーがスタートした。大学入学共通テストの実施方針が公表された直後の授業改革先取り対応セミナーに受講者の関心は高く、皮切りとなった金沢会場(1日)、横浜会場(2日)でのセミナーは盛況となった。今回は英語・国語・数学の教科別分科会も用意し、模擬授業的な要素も取り入れ、明日の授業改善につながると好評だった。
「大学入学共通テスト」マーク式問題例 数学編
大学入試改革(9)(最終回)
(独)大学入試センターは7月13日に大学入学共通テストのマークシート式問題のモデル問題例を公表している。前号(7月24日付)の国語編に続き、数学のモデル問題例を紹介する。作問に際して「日常や身近な課題を題材として数学を活用する場面を設定し、数学的な思考を深めること」に留意したという。
技巧多彩、魅力的なプレゼン
体験取材を基に発表会
東京・八王子市立松木中学校
東京都八王子市立松木中学校(田中史人校長、生徒518人)で7月13日、6月に種子島宇宙センターで衛星の打ち上げを取材した生徒らによる発表会が開催された。アニメーション効果や写真などを生かした自作のパワーポイント資料を活用。松木中では、魅力的な発表の在り方を研究している。
思考力育む歴史教育を探究
教科団体研究大会
次期学習指導要領では、地理歴史科に「地理総合」と「歴史総合」が共通必履修科目として新設される。また、高大接続改革の一つである大学入試においても、暗記科目と揶揄(やゆ)される歴史科目の改善が喫緊の課題となっている。そんな中、全国歴史教育研究協議会(会長=仙田直人・品川女子学院高等部校長)と、高大連携歴史教育研究会(会長=油井大三郎・一橋大学、東京大学名誉教授)が東京で相次いで研究大会を開き、今後の歴史教育の在り方について協議した。
標語募り虐待の兆候つかむ
ベテラン児童委員 大野トシ子さん(千葉)に聞く
40年間近くにわたって民生・児童委員を務める大野トシ子さん。民生・児童委員の全国団体で副会長などを務める傍ら、ほぼ毎日、通学路で子どもたちを見守る。本紙とのインタビューで大野さんは、児童虐待防止策の一環として子どもたちから募っている「標語」を挙げ、作品の中から、危険の予兆が読み取れることで、早期対応につなげている経験などを語った。