「子どもの貧困」住民が情報提供
学習・生活支援につなぐ
大阪府門真市
大阪府門真市は10月から、貧困状態にあるなど育つ環境に問題がありそうな子どもについて、地域住民から報告を求める取り組み「子どもの未来応援ネットワーク事業」を始める。個人情報の取り扱いや、注意が必要な子どもの特徴に関して住民に説明し、希望者を「子どもの未来応援団員」と称するボランティアとして登録。市内全6中学校区それぞれで100人ずつ計600人の参加を見込む。来年8~9月ごろまで実施。事業を委託した大阪府は、府内全自治体に広げたい考えだ。
判決から考える 公務災害と「働き方」
地域防災訓練・家庭訪問で犬にかまれた教員が敗訴
教職員の業務は公務か公務でないかのグレーゾーンが多いといわれる。管理職との人間関係や自治体の施策・方針などの影響で「公務外」と知りながら業務をせざるを得ないこともある。9月12日、教員が地域防災訓練に参加する途中で家庭訪問をした際に事故に見舞われた事例が公務災害に当たるかどうかを争う訴訟の判決が甲府地裁であり、教員の訴えは棄却(敗訴)された(9月18日付既報)。全国の教職員が自身の「働き方」を考え、身を守る上で重要な事案だ。地方公務員災害補償基金(地公災)の判断や今回の判決の中身を紹介する。
苦情対応最新動向 下半期の留意点
関根 眞一 苦情・クレーム対応アドバイザー
教師のプライドの高さ課題
方針を明確化 常に組織で共有・省察
「働き方改革」の必要性が指摘される今、学校が多忙さを感じる業務の上位に、保護者や地域からの苦情対応が各種調査で挙がってくる。特に運動会・体育祭、合唱コンクールなど行事がめじろ押しの今の時期は、教職員の目が子ども一人一人に行き届かない時もあり、苦情につながることもある。下半期の学校が注意すべきポイントや最新の動向などを苦情・クレーム対応アドバイザーの関根眞一さんに寄稿してもらった。
伊 レッジョ・エミリア市の乳幼児教育紹介
「子どもは市民」核にまちづくり
東京でシンポ開催
イタリアのレッジョ・エミリア市で実践されている乳幼児教育から、子どもたちとまちの未来を考える―。東京都で「まちの保育園」「まちのこども園」を運営するナチュラルスマイルジャパン(株)は9月6、9日の2日間、シンポジウム「レッジョ・エミリアと語り合う こどもとまちの未来」を開催。同市の乳幼児教育の専門家が、「乳幼児教育と子どもたちを中心としたまちづくり」について紹介した。
「論理的思考力」を育む
東京・八王子市立散田小学校の理科
「論理的思考力」に着目し、理科を中心に授業改善に取り組む東京都八王子市立散田小学校(高橋延友校長、児童603人)。判断したことへの理由や根拠を示し、自らの考えを表現できる子どもたちを育てている。手だてとして取り入れているのは、同校では「すべ」と呼んでいる「比較・関係付け」。それは、理科だけでなく他教科などにも必要な力である。高橋校長は「基礎・基本を固めるために今は理科を中心にして取り組んでいるが、将来的には広げていきたい」と話している。
毎年恒例の野外炊事 災害時でも手に入る食材使用
生活への応用意識高まる
東京学芸大附属世田谷中「総合」
興味・関心のあるテーマについて1年を通して研究する東京学芸大学附属世田谷中学校の総合的な学習の時間の取り組みで、「生活を科学する」というテーマで毎年実施されている野外炊事が、今年も国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた。「災害時」を想定し、昨年から使う水量、今年は作業にかかる時間の計測を内容に追加。東京大学大学院生が研究する「環境学習の学習観」の分析で、同実践は生徒に「生活への応用」の意識を高める効果があることが分かった。
米国でSSH研修
日米の水環境を比較・研究
千葉県立柏高校
平成28年度から第3期スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けている千葉県立柏高校(小野祐司校長、生徒968人)が7月21~30日、2年生23人を対象に米国海外研修を実施した。大自然を舞台に、現地の大学教授や高校生らと実習や共同研究に取り組むことを通じて、生徒たちは地元地域から世界へと視点を広げ、研究に対する意欲をさらに高めている。
シンポ 民生・児童委員と学校どう連携
給食交流、授業参観日を設定
民生・児童委員と学校の連携を主題としたシンポジウムが先月半ば、千葉市内で開かれ、小学校校長、民生・児童委員、スクールソーシャルワーカーの3人がそれぞれの経験を語るなどした。このうち、小学校校長は、「教員と民生・児童委員をつなぐことが校長の役割」などと述べ、委員が児童と一緒に給食を食べたり、授業を参観したりする日を設けることなどを報告。課題を抱えた子どもの情報を委員と共有して支援につなげているとした。