学テ学校別成績公表へ転換
揺れる現場「過去の轍を踏む」「教委は支援策を」
文科省
文科省は11月29日、平成26年度の全国学力・学習状況調査の実施要領を決めた。教育委員会が学校名を明らかにした形で結果を公表することを禁じてきた基本方針を見直し、市町村教委の判断で公表できるよう改めた。静岡県や大阪市など公表を求める地方の首長の強い意向を受けた格好で、今後、公表に踏み切る教委が増える可能性がある。19年度から始まった全国学力調査が大きな転換を迎える。
東京で学力向上のヒント探る
福井県が1年間 教員派遣
首都圏の教育動向をつかみ県内の教育政策に生かそうと、福井県が今春から東京事務所に教員を1年間派遣している。地元では見られない進学塾やデジタル機器を使った授業実践などを視察して、学力向上に向けたヒントを探ろうという試みだ。どんな仕事をしているのか。ある一日に同行させてもらった。
キーワードは「凡事徹底」「参画」「千人力」
愛知・一宮市立木曽川中
「凡事徹底」できる生徒が、「参画」意識を持って学校生活を送れば、「千人力」となる―。平林哲也・愛知県一宮市立木曽川中学校校長はこのように考え、この三つを経営キーワードに据え、生徒や教職員、地域住民らに繰り返し語り掛けてきた。その結果、生徒の授業や部活動などに向かう姿勢が改善し、学力も顕著に高まっているという。平林校長はまた、校長室ブログを毎日更新しており、情報発信に力を注いでいる。いずれも、学校と関わる多くの人たちに信頼され、「愛される学校」にしたいという思いからだ。
発達障害ある子 長所磨き自信に
東京未来大学こどもみらい園来年7月スタート
東京・足立区
東京未来大学などを運営する(学)三幸学園(昼間一彦理事長)は、来年7月に「東京未来大学こどもみらい園」を東京都足立区に開園する。不登校や発達障害など、悩みを抱える2歳~小6の児童を受け入れ、支援ではなく、幼児・児童の長所を伸ばすカリキュラムを実施する。「学校」という制度上の形にこだわらない、「イノベーションスクール」の挑戦が始まった。
日常学習に「自分づくり教育」
新たなキャリア教育の在り方提案
仙台市立寺岡小学校
子どもたちが将来、社会的・職業的に自立できる力を育むことを目指し、学校、家庭、地域が連携し、人との関わりを深められる児童・生徒を育てる「仙台自分づくり教育」。仙台市立寺岡小学校(及川節郎校長、児童815人)では、これを普段の学習活動と融合させ、日常的に実施して児童の力を伸ばしていく取り組みを研究してきた。11月26日には公開研究会を行い、小学校における新たなキャリア教育の在り方を提案した。
主体的学習へ ICT有効活用
東京・新宿区立新宿西戸山中が研究発表会
東京都新宿区教委は11月13日、平成24・25年度教育課題研究校の発表会を各校で開催した。「ICTを活用した教育活動~よりスムーズな教育活動を行うために」をテーマに研究を進めてきた新宿区立新宿西戸山中学校(岩永章校長、生徒446人)では公開授業と研究発表会を実施。学習活動でのICT機器の有効な利用方法、生徒が主体的に学ぶための機器の活用の仕方などの成果を明らかにした。また、区内の公立学校教員全員が発表会に参加できるよう、新たな取り組みにも着手した。
「地球憲法」を考える
東京都立忍岡高校
「文化の世界地図」を基に独自のグローバル教育を提案する渥美育子氏による授業が11月8日、東京都立忍岡高校(浦部万里子校長、生徒675人)の1年生全員を対象に行われた。一日限りではあったものの、6時間かけて自分たちの生きる地球に真剣に向き合った生徒たち。授業後のアンケートには、授業を通して得られた新たな発見や将来に対する決意がつづられていた。
ブラインドサッカーで協力の心を
視覚障害の有無を問わず楽しめる「ブラインドサッカー」という競技を通して、声を掛け合うことの大切さや、仲間と協力し合うことの面白さを体験するとともに、視覚障害者への理解を深める活動を導入する学校が増え始めた。この競技の普及に努めている団体が選手・講師を学校に無償で派遣する仕組みを利用。児童・生徒は、総合的な学習の時間などに、目が見えない状態で、仲間の声を頼りに、ボールを蹴るなどを体験している。