「総合」休日の校外活動も授業に
小・中で来年度にも
文科省
文科省は小・中学校の総合的な学習の時間について、土・日曜日や長期休業中を含む学校外での活動を年間授業時数の4分の1程度まで授業として認められるようにする。小学校で授業時数の増える新学習指導要領の移行措置が始まる中、休日の学校外の活動を授業にすることで教員の負担軽減につなげる狙いがある。ただ、学校現場からは「総合的な学習の時間の形骸化につながる恐れがある」と危惧する声もある。
津波防災力培う実践提案 東日本大震災の教訓から
日本教師教育学会が大会
日本教師教育学会は9月29、30日、東京学芸大学で第28回大会を開催した。東日本大震災当時、宮城県内の小学校に勤務していた元教員が実体験から得た教訓を基に、津波に焦点を当てた防災教育のプログラムを提案。相次ぐ災害に備え、子どもたちや教師の意識を変えていく必要性についても語った。
SSHを見直し 行政改革会議からの厳しい指摘受け
高校の先進的な理数教育を進める文科省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援事業が岐路に立たされている。事業を検証する政府の行政改革推進会議で見直しを求められたためだ。同省は9月、有識者会議で改善策をまとめ、新たに高校と大学の連携を強化した研究に乗り出す方針を示した。一方で、指定校の活動費の一部を自治体が負担することになった。
小学校7校で「午前5時間制」
中目黒小で研究発表会
午前中に5時間授業を行い、午後は教科・領域の特性を生かし、活動を主体にした学習を展開したらどうなるか―。東京都目黒区教委は文科省の指定を受け、小学校7校で「午前5時間制」の研究に取り組み、9月27日、区立中目黒小学校で研究発表会を行った。実践校からは集中力の高い午前中に5時間の授業をすることで学力が向上した、生活習慣の確立につながった、授業時数と授業コマ数が確保できる、午後にゆとりの時間が生まれ研修・学年会が充実できる―などさまざまな効果が語られた。
保育の質をどう支えるか 区教委の取り組み
東京・千代田区教委 子ども支援課・子育て推進課
待機児童対策に向けて、約10年間で私立認可保育所・認定こども園や東京都認証保育所が大幅に増加した東京都千代田区。そうした中で、質の高い保育の保障が課題となった。区教委の子ども支援課・子育て推進課では、区で管轄する保育園の保育の質を支える取り組みを実施。巡回指導員による園訪問などで保育者の力になり、訪問を通して見えた課題には園や行政各課が垣根を越えて対応し、地域資源を活用して解決に当たっている。
保護者・地域とスクラム 教育方針にも声反映
校名も公募
本年度開校で京都市立御所東小学校
本年度4月、新たな小学校が誕生した。「新島襄旧宅」や京都ホテルオークラなどが学区域にあり、市中央部に位置する京都市立御所東小学校(藤本鈴香校長、児童270人)。「確かな学力」「国際社会で生きる力」「豊かな人間性・体力」の育成を掲げ、教育活動の充実を図っている。初代校長に着任した藤本校長は「学校を拠点に保護者や地域とスクラムを組み、ファミリーのような学校づくりを目指したい」と意気込む。
「見方・考え方」の働き 可視化を目指して
全国中学校地理教育研究会の大会で報告
内藤・埼玉大附属中教諭
「地理的な見方・考え方を働かせる授業の工夫・改善―地図・地図帳の活用」を大会主題に、全国中学校地理教育研究会はこのほど、日本大学で第59回全国研究大会を開催した。埼玉大学教育学部附属中学校の内藤圭太教諭は「地理的な『見方・考え方』を働かせている場面の具現化―単元『日本の地域的特色に基づいて、日本の地域区分を考えよう』の開発と実践を通して」をテーマに、地理における生徒の「見方・考え方」の働きの可視化を目標に行った実践を報告した。
高齢者団地でテクノボランティア
仙台市立仙台工業高校電気科3年「課題研究」
仙台市立仙台工業高校(佐藤明嘉校長、生徒596人)は9月20日、自主公開研究会を実施した。研究テーマは「課題解決型学習による主体的・協働的な学びの実践」。育成すべき資質・能力のルーブリック(評価基準)を開発し、それを活用した指導と評価の取り組みに大きな注目が集まった。市内小・中学校からの参加者もあり、9年間の義務教育を終えた後の高校生たちの成長に大きな関心を寄せていた。
中高生が地域の魅力発信
大都市の横浜で取り組み
高校生世代の若者が地域の魅力を発信する活動が、過疎傾向の激しい地域にとどまらず都市部へと広がり始めている。横浜市青葉区では、区内の中学生・高校生を交えて、地域社会の魅力を住民に発信する「市ケ尾ユースプロジェクト」は始まって2年目を迎えた。公募で集まった生徒、大人を区役所とNPOが支援し、地場野菜を使ったサンドイッチを販売したり、既に開かれている地場野菜の販売会をウェブサイトを使って広報したりしてきた。