小学校担任に中学教員 採用倍率低迷で
中教審諮問へ
教員採用試験の倍率低迷が続く中、文科省は教育委員会が中学校の教員を小学校の学級担任に配置できるように関係法令の見直しを検討することが分かった。4月中に柴山昌彦文科相が中央教育審議会に諮問する。また、学校の働き方改革を進めるため、小学校の授業時数の削減も視野に、教育課程の見直しの検討も求める。
担任経験者の約半数「うまく叱れない」
怒る理由、冷静に伝えられず
民間調査
小・中学校で担任経験のある約半数が「子どもたちをうまく叱れていない」と感じている―。教員と児童・生徒の「怒り」に関する実態が、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京・港区)の調査で分かった。新年度から中学校で全面実施される「特別の教科道徳」の教科書に怒りの感情への向き合い方を考える題材が盛り込まれ、学校現場での指導が注目されている。
時間と労力を費やす業務「各種調査依頼への対応」9割
全国公立学校教頭会30年度調査
全国公立学校教頭会(会長=杉江淳一・埼玉県所沢市立所沢小学校教頭)はこのほど平成30年度「全国公立学校教頭会の調査」をまとめた。団体調査と個人調査の2種類を昨年6月から7月にかけて実施。個人調査は会員の7割に当たる2万人弱が回答した。
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UD化で全ての子が分かる授業へ 主体的に学ぶ「しかけ」設定
横浜市立本牧小学校
全ての子どもが「分かる・できる」授業を目指し、特別支援教育の視点を取り入れた「授業のユニバーサルデザイン(UD)化」に取り組む横浜市立本牧小学校(田中昌彦校長、児童466人)。算数科の授業づくりに重点を置き、子どもが主体的に学習活動に取り組む「しかけ」を設定している。そのベースになるのは、「単元の指導内容」と「子どもの具体的な姿」の二つを踏まえた「想定されるつまずき」。一人一人の子どもを丁寧に見取ることで教師の目が育ち、生活指導の面でも生かされているという。
21世紀型情報活用能力を育む
京都教育大学附属桃山小学校のMC科
国立教育政策研究所から教育課程特例校の措置を受け、情報教育を核とする「メディア・コミュニケーション科」(以下、「MC科」)の研究に取り組む京都教育大学附属桃山小学校(香川貴志校長、児童423人)。文科省が定義する情報活用能力をさらに発展させた「21世紀型情報活用能力」の育成を目指して実践を積み重ねている。「MC科」で使用する各学年の「教科用図書」(同校では「教科書」と呼ぶ)が完成。それにより教師は系統性を踏まえて授業がしやすくなり、子どもたちも先を見通して学習に臨めているという。
子どもの学び・育ちを「見える化」
ドキュメンテーション中心に
玉川大学 実習協議会を開催
「保育の質の確保・向上」が、ますます重要になっている今の時代。遊びや生活の中にある、子どもたちの学び・育ちを「見える化」することが求められている。そこで大切になるのが、子どもたちの姿を写真に撮影し、学び・育ちを記録するドキュメンテーション。玉川大学が2月21日に開催した実習協議会では、ドキュメンテーションを中心に「子どもの学び・育ちの『見える化』」を考えた。
教科の垣根越え 学習内容関連付け
茨城・守谷市立守谷中
茨城県守谷市立守谷中学校(辺見芳宏校長、生徒393人)は本年度、教科の垣根を越えて、学習内容を関連付けた授業づくりに取り組んできた。教科が異なる教員が組んで授業をした他、担当教科以外の学習内容にも視野を広げられるように研修の機会を設けている。カリキュラム・マネジメントに参加する意識を高めることを狙った。
国際的視野に立ち協同で問題解決へ
「探究」通じ自立した学習者育成
名古屋大学教育学部附属中・高校
スーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定を受け、4年次を迎えた名古屋大学教育学部附属中・高校(中嶋哲彦校長、生徒598人)は2月8日、研究成果発表会を行った。テーマは「国際的素養を身につける協同的探究学習―新学習指導要領『探究』に向けて」。国際的視野に立って物事の本質を捉え、生徒たちが他者と協同して問題解決を図る力に重点を置く。目指すところは、グローバル化が進んだ社会に対し、世界規模で活躍できる「自立した学習者」の育成。公開授業などを通して、これまでの研究成果の一端を披露した。
子どもとの接し方 教員が保護者に伝授
埼玉・戸田市
埼玉県戸田市教委は本年度、小学校の教員が保護者に子どもとの接し方などを教える「ペアレントトレーニング」を実施した。発達障害のある子どもの学習支援事業などを手掛ける民間企業と連携。教員が教育センターでの研修を受けた後、保護者を募り、子どもへの接し方を考えてもらう場を設けている。保護者の悩みの解消を目指すとともに、教員の指導への自信や主体性を向上させるような効果も出ている。