大川小訴訟 議論できる職員室に 代理人弁護士インタビュー
津波からの避難に失敗し、児童と教員の大半が命を落とした宮城県石巻市立大川小学校を巡る一連の裁判が全国の教育関係者に投げ掛けた課題とは何か。提訴した遺族の代理人を務めた吉岡和弘弁護士が本紙のインタビューに応じ、各校で教職員が校長・教頭を交えて率直に話し合える雰囲気を確保することの大切さなどについて語った。
子どもの貧困対策・新大綱 保育士の処遇改善掲げ
教職員の研修機会も充実
政府は11月29日、「子供の貧困対策に関する大綱」を改訂し、閣議決定した。子どもの将来に向けた施策にとどめず、現在の生活に焦点を当てることとした法改正を受けたもので、教育・保育関係では、保育士の処遇改善、教職員が貧困問題を学ぶ場の充実、高校在学中に妊娠した生徒への対応などを掲げている。併せて、貧困状況の改善を数値として把握するための指標として、高校中退率などを加えた。
(PISA2018)国際学力調査 読解力が顕著に低下
コンピューター方式が影響か
経済協力開発機構(OECD)が2018年に行ったPISA(学習到達度調査)で、日本の読解力の平均点と順位が、前回より顕著に低下した。OECDに加盟する37カ国中11位だった。文科省は結果について、読解力だけでなく、「コンピューター画面上での長文読解への慣れなど、さまざまな要因が影響している可能性がある」とみている。数学的リテラシーと科学的リテラシーはそれぞれ1位と2位で、これまでと同様、世界トップレベルだった。
全教職員巻き込み学校改革を推進
大都市中学校長会連絡協議会 名古屋大会 下
前回に続き、大都市中学校長会連絡協議会名古屋大会での実践発表の内容を紹介する。
教育実習 写真で遊びや生活振り返り子どもを見る視点広げる
教育実習にドキュメンテーション型日誌を導入
認定こども園多摩みゆき幼稚園
将来保育者を目指す学生が、幼稚園・保育園・認定こども園の現場でさまざまなことを学ぶ教育・保育実習。玉川大学は受け入れ園と協働し、実習生が自身で記録したメモや写真を基に遊びや生活を振り返り、その中にある意味や子どもの学びと育ち、自分が感じたことなどを伝える、ドキュメンテーション型日誌の導入を進めている。これを取り入れた東京都多摩市の(学)高西寺学園 認定こども園多摩みゆき幼稚園(関岡貴之園長、園児170人)では、実習生とともに学ぶことで指導する保育者も子どもを見る視点を広げており、保育の質向上につなげている。
全国小学校生活科・総合的な学習教育研究協議会が兵庫で大会
新学習指導要領の全面実施が来年度に迫る中、これまでの生活科と総合的な学習の時間の取り組みを振り返り、今後につなげようと、全国小学校生活科・総合的な学習教育研究協議会(会長=齋藤等・東京都渋谷区立神宮前小学校校長)は11月14、15の両日、第28回大会(大会実行委員長=加藤紀久・神戸市立本山南小学校校長)を開催した。大会主題は「兵庫発!! 未来への懸け橋~子供が変わる 教師が変わる 学校・地域が変わる~」。シンポジウムを含んだ全体会の他、神戸市立成徳小学校、明石市立大観小学校、淡路市立志筑小学校の3校で公開授業を行った。
キャリア教育、全教育課程で横断的に展開
全九州中学校進路指導・キャリア教育研究協議会大会から
福岡・飯塚市立二瀬中学校
全九州中学校進路指導・キャリア教育研究協議会(会長=尾崎親夫・福岡市立梅林中学校校長)は11月8日、福岡県飯塚市立二瀬中学校(吉田浩昭校長、生徒318人)で第56回大会を実施した。大会テーマは「未来へ力強く向かう力を育むキャリア教育」。会場校の二瀬中学校の取り組みを中心に紹介する。
昼間定時制で農業の後継者育成 全国から生徒募る
奈良県立五條高校・賀名生分校と五條市教委
全国定時制通信制高等学校長会の研究協議会から
全国定時制通信制高等学校長会(理事長=林眞司・東京都立六本木高校統括校長)は11月8日、東京都内で全国研究協議会を開催した。昼間定時制の奈良県立五條高校・賀名生分校(生徒53人)の中井基雄校長は、農業科と地元の五條市教委が進める農業の後継者を育てる活動を紹介。分校では生徒を全国募集しており、地元農家で実習を積ませることで、定住を促している。
公教育のけん引者が教室 教科書中心に宿題など支援
千葉・浦安市で
令和時代の塾と学校
県教委の課長、市教委の次長などを歴任し、公立学校教育をけん引してきた元校長が東日本大震災をきっかけに、学習塾を開設した。教科書を主な教材として、学校の授業を補うとともに、塾生の進路希望をかなえることを目指す。公立学校教員の授業改善に力を尽くしてきた一方で、若手教員の増加、授業準備時間確保の難しさなどを背景に、課題が大きいこともよく知る塾長。受講料は安く抑え、誰もが学校の授業についていけるよう心を砕く。