No.6226号(2020年2月24日号)17面では「図書館散策し語り合い」を掲載
部活動短い県、学力上位の傾向 長沼・学習院大教授の分析
「平日2時間まで」が妥当
学習院大学の長沼豊教授が、都道府県ごとに中学生の運動部活動時間と全国学力・学習状況調査の結果を分析したところ、活動時間が短いほど学力が高い傾向にあることが分かった。活動時間は東日本より西日本の方が長く、長沼教授は「西日本の方が日の入りの時刻が遅いため長く活動できるのであろう」と見る。文化部を含めた部活動時間と学力調査の関係からは、1日当たり1~2時間を部活動に充てている生徒の学力が高いことを指摘している。
「新要領」「不登校」対策など強化 都道府県・政令市の新年度予算案
各都道府県・政令指定都市の新年度予算案からは、新学習指導要領の全面実施に向けて英語教育を強化する他、深刻化する不登校への対策などが並ぶ。予算案を公表している自治体から関係する部分をまとめた。
変わるか、高校生の就活 政府が慣行見直し提言
今後、各県で議論へ
高校生の就職活動が変わろうとしている。これまでは、各高校で生徒を事業所に推薦する仕組みが定着してきたが、近年は、インターネットを通して就職活動を支援する企業を利用するなど、高校を通さない就職活動ができるようになっている。政府は、就職環境の変化に合わせて、各都道府県の就職慣行を見直すよう求める方針だ。
学校経営や教育課程、指導・育成などテーマに分科会
東京都公立小学校長会が研究発表会
東京都公立小学校長会(会長=喜名朝博・江東区立明治小学校統括校長)は2月6日、令和元年度第63回研究発表会を中央区立久松小学校で開催した。学校経営や教育課程、指導・育成などをテーマにした12の分科会で各地の校長会による研究・実践の内容が紹介された。
探究心刺激する「可塑性ある園庭」季節や興味に合わせ再構成
金城学院幼稚園(名古屋市)
子どもたちが好きな遊びに熱中し、探究し続けていくためには、その心を刺激する環境を整えることが求められる。名古屋市の(学)金城学院 金城学院幼稚園(馬渕宣子園長、園児152人)は、子どもたちの探究心を刺激するため、季節やその時の興味・関心に合わせて園庭環境を再構成している。そのために毎年4回、子ども、保育者、保護者、卒園生、地域の人らが参加し、共に園庭を整備する「園庭ワーク」を継続的に実施している。
「メンタリング」の手法でOJT 業務改善を目指した研修へ
福岡・久山町立久原小学校
教育現場にも「働き方改革」の波が押し寄せる中、福岡県久山町立久原小学校(重松宏明校長、児童375人)では「業務改善をめざした職員研修の進め方」に取り組んでいる。毎週火曜日の放課後約90分を使い、全教職員が参加していた校内研修などを廃止。年休も含めて各自が自由に使える時間とする一方、教師の指導力向上を担保するために人材育成の手法としてメンタリングを中心としたOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を導入した。「教科に縛りがなく自分の学びたいことを扱えるため、満足感を味わうことができた」などの声が上がっている。
基礎的・汎用的能力を育成 キャリア教育の視点で授業改善
東京・荒川区立第三中学校
東京都荒川区立第三中学校(清水隆彦校長、生徒481人)は7日、「基礎的・汎用的能力を育むアクティブ・ラーニングの在り方~21世紀型能力の育成を目指して~」を主題に公開研究会を実施した。同校は同区教委の研究指定校で、キャリア教育の視点から話し合い活動やICTの活用などを取り入れた授業を通し、生徒に新学習指導要領で重視される「基礎的・汎用的能力」を定着させようと研究を進めてきた。生徒自身が能力の定着を実感することにもつながった。
新学習指導要領の課題など議論 日教組が教研集会
日本教職員組合は1月24日から26日まで広島市内で第69次教育研究全国集会を開催した。4月から小学校で始まる新学習指導要領の実施上の課題などを議論、各地の実践報告を共有した。特別分科会では学校の働き方改革を巡り、教員の業務削減に向けた課題などについて保護者や大学生も交えパネルディスカッションを行った。実践リポートは621本。3日間で延べ9千人が参加した。
迫る新要領の全面実施、働き方改革どう実現
3月2日付から紙面を刷新します
日本教育新聞は来月、紙面の一部を見直します。オリンピック・パラリンピック東京大会を巡る動きに焦点を当てる他、教職員の働き方などに関する記事を充実させます。好評な企画は維持しつつ、さらに分かりやすく、内容豊かな記事とすることを目指します。
生徒会役員決めで投票経験 知的障害のある子に主権者教育
筑波大附属大塚特別支援学校
筑波大学附属大塚特別支援学校(柘植雅義校長、幼児・児童・生徒75人)は6日、学校がある東京都文京区の選挙管理委員会などの協力を得て、生徒会役員を決める投票を国政選挙などと同じ設備を使って行った。小学部5・6年生から高等部3年生まで48人が参加。知的障害がある児童・生徒の主権者教育の一環として、投票する経験を積ませ、選挙について学ぶことを狙う。
鼎談 「早寝早起き朝ごはん」で子どもたちの健やかな成長を
子どもの生活習慣の改善を目指して始まった「早寝早起き朝ごはん」運動。開始から15年目を迎え、全国の学校や家庭に浸透してきた。運動を中心となって進めてきた服部幸應・学校法人服部学園理事長と、田中壮一郎・独立行政法人国立青少年教育振興機構顧問、水田功・文部科学省総合教育政策局地域学習推進課長に、食育や生活習慣の大切さ、そして、運動をより進めるための取り組みについて語ってもらった。
(進行役 日本教育新聞社 編集局 佐原啓仁)
図書館内を散策しよう 「選んだ本」話題に語り合い
山口県で「ライぶらり」活動
学校の図書室や図書館の書棚をぶらぶら歩き、面白そうな本を取り出して仲間と「その本を選んだ理由」を語り合う活動を山口県内の小・中学校、高校が試みている。山口県立図書館の子ども読書支援センターが「ライぶらり」と名付けて普及を目指す。さまざまな種類の本に触れることで児童・生徒の読書意欲向上を目指すもので、「本との出合い」と共に「仲間との出会い」という側面もある。