「才能児」教育で基本方針 選抜せず、個々に対応
有識者会議
特定の分野に特別な才能がある児童・生徒への対応を検討してきた文科省有識者会議は11月29日、知能指数(IQ)やテストの得点などによって選抜するのではなく、児童・生徒それぞれに応じた教育を提供するとした基本方針をまとめた。これまでの議論を整理した文書の中に盛り込んだ。飛び級にも触れたが、「学校外の学びの場を活用したほうがより効果的な場合がある」として、そうした場と学校が連携することの重要性を掲げている。
私立高校の学費滞納、中退率が過去最低 コロナ影響かバイトは増加
全国私教連の調査
4月から9月までの間に学費を滞納したり、経済的理由で中途退学したりした私立高校生の割合は本年度、これまでで最も低かったとする調査結果を全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)が11月29日、公表した。昨年度から始まった就学支援金の拡充の効果とみられる。一方で全国私教連は「コロナ禍の影響で家計困難からアルバイトをする生徒は増加している」などとして、国に支援金の増額などを求めている。
こども基本法の制定求める 子ども政策で有識者会議が報告書
子どもに関わる政策を包括的に議論してきた政府の有識者会議は、子ども・子育て当事者の視点に立った政策の重視や「こども基本法(仮称)」の制定などを求める報告書をまとめた。11月29日、清家篤座長(元慶應義塾塾長)が岸田文雄首相に報告書を手渡した。政府は今回の報告書と「こども庁」の創設に関する内容を一本化した基本方針をつくり、年内に閣議決定する。
コロナ下での情報発信やコミュニティスクール活用した防災教育などを実践報告
全国連合小学校長会研究協議会 上
全国連合小学校長会(会長=大字弘一郎・東京都世田谷区立下北沢小学校統括校長)は、10月に開催を予定していた研究協議会石川大会(大会実行委員長=永田靖人・金沢市立米丸小学校校長)を誌上開催に改め、このほど大会要録をまとめた。誌上発表となった研究・実践報告の内容を上下2回で紹介する。新型コロナ禍の中で、これからの教育活動の在り方を模索する姿が複数の発表で描かれている。
保育者の資質向上策探る
第64回全国保育研究大会
(社福)全国社会福祉協議会・全国保育協議会(全保協、奥村尚三会長)、三重県保育協議会などは11月17日、第64回全国保育研究大会をオンラインで開催した。当初は昨年開催予定だったが、新型コロナ感染拡大の影響で1年延期。本年度も感染拡大防止のため、オンラインでの開催となった。大会主題は「すべての人が子どもと子育てに関わりをもつ社会の実現をめざして」。新たな時代の保育実践、配慮を必要とする子どもや家庭への支援などをテーマに実施された10の分科会の中から、「保育者の資質向上」を考えた分科会の内容を紹介する。
給食での食品ロス学べる絵本作成 障害ある人にも読みやすく
樗木・大阪市立鶴見南小主務教諭
大野木・園田学園女子大学准教授のゼミとコラボ
樗木厚・大阪市立鶴見南小学校主務教諭と大野木位行・園田学園女子大学准教授のゼミによるコラボ授業が11月8日、同小学校(松本学校長、児童683人)で行われた。給食から食品ロスを学ぶことができる「LLブック」(障害のある人でも読みやすい本)を共同開発。それを活用し、樗木主務教諭が受け持つ特別支援学級で大学生による読み聞かせなどを行った。子どもの食育に対する興味・関心はさらに高まり、大学生は教師の仕事を体験できる機会になったという。
「レジリエンス」教育に取り組む 難局乗り越える「たくましさ」を
東京・世田谷区立千歳中学校
失敗や挫折は人を成長させる。こうした人の「たくましさ」に着目し、東京都世田谷区立千歳中学校(山本武校長、生徒709人)は本年度から回復力・調整力を付けていく「レジリエンス」という実践をスタートさせた。総合的な学習の時間や学級活動などを中心にして取り組み、対象は全学年。先行き不透明な時代を見据え、今後は答えのない問題などに直面することも少なくない。思い通りうまくいかなくても道を開こうとする生徒の粘り強さを育成することがねらいだ。
校内探索ゲームで防災学ぶ GIGA環境活用し「QR」からクイズ
埼玉県立日高特別支援学校
埼玉県立日高特別支援学校では、例年、防災教育に力を入れている。今年は防災の知識をゲーム感覚で身に付けてもらおうと、GIGAスクール端末を活用した取り組みを行っている。同校で防災担当を務める齋藤朝子教諭の話をまとめた。