普及へ弾み海洋教育
多彩な実践一堂に
初の全国サミット
全国各地の「海」に関わる学習を集めて、初の海洋教育サミットが2月22日、開催された。主催は東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターと日本財団。特に、同研究センターは海洋基本法の理念の下、初等・中等教育レベルで海洋教育の普及促進を目的に設置したわが国初の組織。各地に存在するさまざまな学習活動やカリキュラムを「『海洋教育』という大きな枠組みに位置付けていきたい」(田中智志・同研究センター長)と、本格的な普及に動き出した。
東日本大震災 3・11から3年
東北地方の太平洋側を中心に、未曽有の被害をもたらした東日本大震災から、11日で3年を迎える。被災地では多くの課題が残される一方、復興に向けた新たな取り組みも行われている。それは、学校現場も同様だ。今回から2回にわたり、被災地の学校の現状と課題、震災を契機に取り組まれた教育などをリポートする。今回は、学区内の多くが津波で被災した宮城県石巻市立北上小学校と放射線で苦しんだ福島県郡山市に焦点を当て、これまでの取り組みや現状、今後の課題などをリポートする。
東京都公立小学校長会が研究発表会
東京都公立小学校長会(会長=堀竹充・新宿区立早稲田小学校校長)は2月18日、平成25年度第58回研究発表会を港区立白金小学校で開催した。研究主題は「新たな知を拓き 人間性豊かな社会を築く 日本人の育成を目指す小学校教育の推進」。「学校経営」や「指導・育成」などをテーマに26の地区・個人発表が行われ、参加者同士でグループ討議をした。
室内に「森」再現
グローバルキッズ後楽二丁目園分園 東京・文京区
かすかな風の音と、鳥たちがさえずる声。目を閉じると、まるで森林の中にいるようだった。東京都文京区の認可保育園・グローバルキッズ後楽二丁目園分園(勝間康子園長、園児33人)では、CDに比べ256倍の表現力がある音響空間を導入。自然と触れ合う機会が少ない都市部の園でも、自然を意識できる空間をつくり出した。子どもたちや保育士のリラックスにもつながる、新しい試みを紹介する。
独自の教育課程で必要な力を育む
文科省指定2校が新たな挑戦
文科省の研究指定を受け、独自の教育課程を編成する埼玉県久喜市立久喜小学校(柿沼光夫校長、児童400人)と東京都大田区立清水窪小学校(上野研二校長、児童152人)。新設した「夢創造科」と「サイエンスコミュニケーション(SC)科」は、今の子どもたちに必要とされている力を育成するための新教科だ。本年度から新たなチャレンジに挑んでいる2校。その取り組みについて紹介する。
育てる学力明確に4段階で授業展開
関心・意欲→知識・技能→思考・判断・表現→生活に生かす態度
東京・立川市立立川第三中
生徒の学習意欲と学力、教師の授業力の向上を目的に授業改善に取り組む東京都立川市立立川第三中学校(太田元校長、生徒449人)。昨年度は、教科や学年の枠を超えての指導案の作成や、他教科の授業観察などを通して教師の授業力向上を研究した。そして本年度は新たな授業展開方法や指導の工夫を取り入れて、生徒の学力を向上させる授業を研究。2月7日、研究発表会を開催し、これまでの研究内容を明らかにした。
「社会人基礎力」培う教育課程
体験織り交ぜ自立と共生の力育む
兵庫県立上郡高校
高校生に自立と共生の能力を兼ね備えた社会人の基礎を培うための教育課程開発に取り組んできた兵庫県立上郡高校(松崎隆幸校長、生徒653人)がこのほど、平成23~25年度の研究成果をまとめた。地域・保護者・学校の3者が一体となって取り組んできた同校は、2月11日に教育関係者や保護者、地域住民を招いて研究発表会を開催。各学年、各学科・類型の代表生徒が研究の概要や成果を発表した。
地域の力でいじめ防止
千葉・市川市「道徳」授業
民生・児童委員などの地域住民が小・中学校の道徳の授業で児童・生徒と話し合い、いじめを防ぐ心を育てようという試みが千葉県市川市で始まった。授業自体は1時間足らずだが、民生・児童委員らは何度も研修を受けて、いじめ問題について学ぶ。その上で、授業本番は、子どもたちの声に耳を傾けることに力を置く。意見を言わせて気付きを得て、自分とは異質な他者を受け入れる心を育む―。こうしたことを目指している。