共通目標生まれ授業改善
全高校に「学力スタンダード
都教委
高校生に一定の学力を定着させようと、東京都教委が都立高校に導入した「学力スタンダード」=別項=が、今春から全ての高校第1学年で取り組まれている。高校教育の質保証の方法として、達成度テストを議論した中央教育審議会でも注目された。昨年度1年間の試行では、学校共通の目標が設定できるメリットが生まれる一方、多様な学力層の生徒を「高校基準」で評価することの難しさがあらためて浮き彫りになった。
再生実行会議5次提言 学制改革、中教審委員の見方は
政府の教育再生実行会議が小中一貫教育校の制度化や教員免許制度の改革を盛り込んだ学制改革に関する5次提言をまとめた。今後、具体的な制度設計を検討する中央教育審議会の委員たちは提言をどう受け止めたのか。
教委改革と学校の自主・自律性でシンポ
日本教育経営学会が大会
日本教育経営学会(牛渡淳会長)は6月6日から3日間、第54回大会を北海道教育大学釧路校で開催した。公開シンポジウムでは「人口減少社会と学校の小規模化」を踏まえた学校経営の在り方を、特別シンポジウムでは「教育委員会改革と学校経営の自主性・自律性」について議論。自由研究発表では、指導主事による学校訪問の現状と学力との相関関係についての調査や大学院でのスクールリーダー養成の実践・成果に関わる発表などがあった。このうち特別シンポジウムと指導主事調査の内容を紹介する。
絵本の続き 劇で表現
ストーリー・大道具など手作り
埼玉大学附属幼
埼玉大学教育学部附属幼稚園(大友秀明園長、園児79人)では、お別れ会など節目の行事で園児が劇づくりに取り組んでいる。昨年度の題材は「エルマーのぼうけん」(R・S・ガネット著、福音館書店)シリーズ。ストーリー展開などの「お話しづくり」から、劇の大道具・小道具の作成なども子どもたちで手掛け、劇表現を全員で体験していった。普段の園での多様な体験・活動を、幼稚園教育要領「生きる力」5領域の「表現」を伸ばすことへ結び付けていった、同園の劇づくりを紹介する。
「見える図」活用し「思考スキル」習得
児童の意欲的な発表促す
鹿児島市立田上小学校
「比較」や「分類」「関連付け」などの「思考スキル」を身に付けるために、鹿児島市立田上小学校(室之園(むろのその)晃徳校長、児童609人)では「見える図」を手だてとして活用している。目には見えない学力の「思考力」と「判断力」。それらを可視化して考えた過程を振り返ることで、判断した根拠などを明確にすることができる。学習内容をベースに「見える図」を使い、自分の考えを整理していく。そうすることで、意欲的に発表しようとする子が増えているという。
生徒の情報端末利用の実態は
東京・小平市立第三中が調査
学校でのICT機器の利活用や情報端末機器の所持の低年齢化などで、情報モラル教育の必要性が高まってきている。そんな中、東京都小平市立第三中学校は、今年5月、全校生徒を対象に情報端末機器の利用実態調査を実施した。同校でもSNSやラインなどでの生徒同士のトラブルが発生しており、生徒指導に生徒の実態把握が必要と考えたため。同校の田口克敏校長は「マスコミなどで騒がれていることが、この学校でも起きていると、あらためて理解した」と語る。
学校の毎日をHPで発信
岡山県立玉野光南高校
校舎に向かって駆け出す生徒の後ろ姿を捉えた躍動的な写真。「みんなで作る、光南ダイアリー」と名付けられたブログ。県下で圧倒的なアクセス数を誇る岡山県立玉野光南高校(竹入隆弘校長、生徒829人)は、学校HPを通じて、定期考査直前まで勉強に励む生徒の姿や修学旅行先での様子、各部活動の成績など日々の学校生活から切り取ったさまざまなシーンをタイムリーに発信し続けている。
1年間の留学義務 秋田から世界へ
10周年を迎えた国際教養大の今
秋田県という地方に立地しながら「全国区」の大学として知られる公立大学法人国際教養大学。世界に通用する「国際教養―インターナショナルリベラルアーツ」の修得をミッションに掲げ、各大学がグローバル人材育成の対応で導入し始めた「留学」も、同大学では開学当初から1年間の海外留学として義務付ける。提携大学は45カ国・地域の164大学に及ぶ。また、全ての授業が英語、少人数で展開されているのも大きな特徴の一つ。この他、毎年の就職率はほぼ100%、教員採用は3年の任期制、24時間365日開館の図書館など、数多くの特色がある。多くの日本人学生と留学生が大学敷地内で暮らし、また、少人数かつ双方向型の授業、そして、さまざまな教育・生活支援を通じて、学生と教職員が厚い信頼関係を築く。時代を先駆け、今春10周年を迎えた大学の今をリポートする。
「協力員」と共に活動
千葉市など制度化
時に学校と連携して無報酬で地域社会を支える民生・児童委員。その多忙感を軽くしようと、民生・児童委員活動を手助けする支援者を「協力員」などと名付けて配置する動きが広がり始めた。今月からは千葉市が導入。元民生・児童委員が「協力員」を務め、新任委員に助言したり、委員として奔走する妻を夫が「協力員」として支えたりといった役割が想定されている。