行事で育つ人間関係力、課題解決力、道徳的実践力
4割が「従来通り実施」
全小行研と共同で実施
本社調査
日本教育新聞社は全国小学校学校行事研究会(全小行研)と「学校行事」に関する共同調査を実施し、東京都小学校学校行事研究会(都小行研)の協力を得た中間報告(4月21日付既報)に全国調査を加え、最終報告としてまとめた。有効回答は994校。学習指導要領改訂以降、学校行事の工夫・精選をしたところが63・0%。その内容を見ると、約4割が「授業時数は増やし、学校行事は従来通り実施」した。学校行事によって育っている力では人間関係形成力、課題解決力、道徳的実践力を挙げる回答が9割台と高い支持を得た。全小行研・都小行研は7・8日、全国大会東京大会を開く。
東北地区中学校長会研究協議会福島大会
第64回東北地区中学校長会研究協議会福島大会が6月26、27の両日、福島市の「パルセいいざか」などで開催された。大会では、東日本大震災から3年が過ぎたことを受けて「『ふくしま』からの報告」の時間を設け、福島県の校長が直面した課題とこれから果たすべき役割などを発信、記念講演も「災害から何を学ぶか」をテーマに安部義孝・ふくしま海洋科学館館長が登壇した。翌週の7月3、4日に開催された東北連合小学校長会研究協議会宮城大会も震災関連の発信を重視。両大会とも校長会が作成した震災の記録をまとめた冊子を参加者に配布した。今回は福島大会、次回は宮城大会の内容を紹介する。
人間関係形成力の高まり再認識
「学校行事」の現状・課題・今後は
「学校行事」に関する全国調査を受け、現状と課題、これからの在り方について、文科省初等中等教育局の杉田洋視学官、全国小学校学校行事研究会の鈴木純一郎会長(東京都多摩市立瓜生小校長)、東京都小学校学校行事研究会の加藤純会長(日の出町立平井小校長)に話し合ってもらった。(文中敬称略)
教育・保育要領説明会でシンポ
幼保連携型認定こども園
内閣府、文科省、厚労省は7月17日から23日にかけて、幼保連携型認定こども園教育・保育要領中央説明会を全国3地区に分けて開催した。教育委員会、自治体、現場の園関係者へ向け平成27年度からスタートする新しい幼保連携型認定こども園の教育・保育に関わる指針を解説した。7月17日に東京都内で開催された説明会の「特に配慮すべき事項」について取り上げたシンポジウムから、新しい幼保連携型認定こども園の現在地と未来像を探る。
本物に触れ伝統文化教育
地域教材を活用 清水焼、京野菜、和太鼓…
京都市立百々小学校
清水焼、京野菜、和太鼓…。こうした地域教材を活用し、国語の研究をベースにしながら伝統文化教育に取り組む京都市立百々(どど)小学校(深尾清美校長、児童699人)。学ぶ機会を多く設定するために、各教科・領域などで伝統文化に関わる内容を洗い出した。学習活動を通して、子どもたちは地域の人と出会い、さまざまな体験活動を行う。それが生きた言葉にもつながっている。3年生以上の児童に自作の俳句を募集したところ、誰一人同じ句がなかったという。
カウンセラーと教員で協働を
特別支援教育で研修会
東京・八王子市立陵南中
東京都八王子市立陵南中学校は7月23日、特別支援教育に関する教員研修会を開催した。特別支援教育に力を入れ、即戦力となるスクールカウンセラー(SC)の育成や小中連携、地域ぐるみの特別支援教育を研究する同校の清水和彦校長が企画したもの。同校教員の他、同校校区内の小学校教員らが参加した。研修会では、SCとして勤務する講師による、校内でのSCの活用についての講義などが行われた。
学校の課題解決方策をミドルリーダーが議論
全国農業高校長協会が学校運営等研究協議会
夏休みが始まると、教育現場では全国各地でさまざまな研修が行われる。そのうちの一つ、全国農業高等学校長協会(理事長=岡本利隆・東京都立農芸高校校長)主催の学校運営等研究協議会には、これからの農業教育を担うミドルリーダーが東京に集まり、学校運営についてそれぞれの学校の実情を踏まえながら熱い議論を交わした。
学習支援で貧困の連鎖防ぐ
「チャレンジ塾」開設
茨城県社会福祉協議会
家庭の経済的環境が厳しく、同時に学校の授業についていくことが難しい子どもたちの学習を支援しようと、各地でさまざまな試みが芽生える中、茨城県では、県の社会福祉協議会がボランティアを募り、公共施設などを会場とした学習支援事業を始めた。今月から、同協議会の事務局がある水戸市内で「チャレンジ塾」を開講する。継続的な活動になるよう、2年間かけてボランティア自身で運営できるようにすることを目指す。将来は、運営マニュアルを作り、県内各地に同様の事業を広げたい考えだ。