学校施設「大規模改修」7割検討
全国の教委、老朽化で
本社調査
約8割の教育委員会が、「学校施設の老朽化対策」を進める必要があり、7割近くがその対策を「大規模改修」によって進めようとしていると考えている。全国の市区町村教育委員会を対象に日本教育新聞社が「学校施設・施設整備の課題に関する調査」を実施したところ、そんな結果が明らかになった。
学童保育と放課後子供教室の連携
政府が6月に閣議決定した成長戦略で子育て支援策の一環として示し、7月に策定した「放課後子ども総合プラン」に盛り込んだ、一体型を中心とした放課後児童クラブ・放課後子供教室の整備。今後、両者の連携や一体化を進めていく上でどんな課題があるか。先進事例として、学校と地域、行政と地域がうまく協力し、一体型や連携型に近い取り組みを行っている活動を、本年6月16日付に続いて紹介する。
伝統を継承しながら「生徒主役の学校」に
盛岡市立下橋中学校
創立120年以上の歴史のある盛岡市立下橋中学校(小岩和彦校長、生徒300人)は、100周年の際に、学校の歩みを残すために「校史館」を設置するなど、伝統校として知られている。昨年度に赴任した小岩校長は、伝統を継承しながら、「子どもが主役の学校づくり」の重要性を説き、教育活動の充実に努めてきた。同校の特色の一つ「SHEL」(総合的な学習の時間)の実践と、小岩校長が経営で重視している内容などを紹介する。
全国初の障害児専門園
集団遊び中心 医療手厚く
保育園ヘレン 東京・杉並区
8日、東京都杉並区に障害児専門保育園「ヘレン」が開園した。障害児と、就労を希望する保護者を支える全国初の試みだ。障害者の日中通所施設「児童発達支援事業」という公的な枠組みと、保護者負担による独自の運営で、無理のない負担の範囲で週5日、長時間保育を可能にした。開園時のスタッフは病院や療育施設、保育園での勤務経験を持つ。全国初の取り組みに情熱を持ち、障害児保育をやりたい、というメンバーが集まった。従来、見過ごされてきた障害者の保護者の働きたいというニーズを支援する取り組みを紹介する。
地域と連携して体育授業
少年野球団のコーチが参加
千葉・八千代市立西高津小学校が公開研究会
「とも(友・共)に学ぶ体育授業」をテーマに1日に開かれた千葉県八千代市立西高津小学校(永井元博校長、児童510人)の公開研究会。校庭では、一風変わった3年生の授業が公開された。地元少年野球団のコーチ陣が授業準備する種目は「友遊ボール」。その実践について紹介する。
多様な試み通じ学力向上、不登校減
福岡・粕屋町立粕屋東中
学力向上や不登校生徒への対応など、どの学校でも直面する課題に対して成果を挙げている福岡県粕屋町立粕屋東中学校(村上伸一校長、生徒585人)。あいさつや黙働掃除などの日常の取り組みを基盤に、昨年度から各教科や道徳で五つのトークによる新しい授業づくりに取り組んでいる。若手教員が多いため、ベテラン教師とペアを組む学校OJTで教師力も育成。本年度の「全国学力・学習状況調査」では全国平均点以上を達成。特に、「国語B」では7点ほど上回ったという。
読書環境 小・中・高校と開き
全国SLA 特別支援学校の図書館を調査
特別支援学校における学校図書館の現状について全国学校図書館協議会(全国SLA)の調査委員会が全国の特別支援学校を対象に行った調査結果がこのほど公表された。図書館がない、司書教諭・司書が配置されていない学校があるなど、小・中・高校と特別支援学校には読書環境に大きな差があることが分かった。委員長を務めた専修大学の野口武悟教授は「子どもたちの将来をより豊かなものにするためにも、喫緊に対応すべき課題」と指摘している。
雨の日はプラネタリウムへ
東京・足立区の複合施設
東京都足立区が科学館などを改装し昨年4月に開設した複合体験型施設は、同区内外の学校、幼稚園、保育所による団体利用が好調だ。プラネタリウムを持ち、理科の授業の一環として天体について学ぶ他、実験や調理、工作、フリークライミングなどを通して楽しみながらさまざまな体験ができる。校外学習の計画を組むに当たって、雨の日など天候が優れない場合の訪問先としても活用可能。区側は、区外の学校や幼稚園・保育所にも利用を呼び掛けている。