No.5924号(2013年06月10日号)

06.10

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小学校英語 低・中学年導入への課題は

教員への研修不可欠

学習内容に系統性を

 教育再生実行会議が小・中学校の英語教育強化を打ち出した。現在は小学校5、6年で週に1時間設けている「外国語活動」を教科に位置付けることや、英語に関する授業を4年生以下で実施すること、英語に関する授業時間の増加などを掲げているが、既に多くの学校が低・中学年での英語に関する指導を取り入れ、充実に努めてきた。そこにはどんな課題があり、どう乗り越えてきたのか―。
(3面に関連記事)

「外国語活動」教科化へ 課題と提案

 小・中学校の英語教育強化などを掲げた教育再生実行会議の第3次提言。小学校高学年の「外国語活動」の教科化では、教科書を使って全国共通の教育課程で教え、学習状況は、数値や記号を使って評価することが検討課題となる。この他、実施学年の早期化、授業時間数増、英語専任教員の配置などの提案がある。これから小学校教育はどう変わるのか。(1面参照)

新会長に聞く 上

細谷 美明 全日本中学校長会会長(東京都港区立御成門中学校校長)

 5月22日の総会で全日本中学校長会会長に就任した細谷美明・東京都港区立御成門中学校校長に、抱負や重点的に取り組む事項などを聞いた。

選ばれる時代背景に園長のニーズも実現

「愛される園舎のつくりかた」発刊

設計の専門家集団「幼児の城」

 園舎設計の専門家集団「幼児の城」((株)日比野設計、本社・神奈川県厚木市)は「愛される園舎のつくりかた」を発刊した。「幼児の城」ではこれまで300を超える園舎造りをしてきており、そこから生まれたノウハウを共有しようと、幼稚園・保育園施設特集を刊行している。今回は3年ぶり、6冊目。「1年間に造れる園舎は、大小取り混ぜ40件程度。これ以上は造れない。子どもにとって良い環境づくりにつながればと、情報を開示しています」と、幼児施設担当統括責任者の日比野拓さんは話す。

ハンドボールで 体育好き増やす

三重・いなべ市立三里小学校の前田教諭

 段ボールでゴールを作り、そこにイラストや文字などを記入して勝利を願う。子どもが夢中になってボール運動ができるよう、三重県いなべ市立三里小学校(中村豊樹校長、児童284人)の前田幹夫教諭はハンドボールに取り組み、得点設定やチーム構成などで工夫を凝らす。力が弱く運動嫌いの女子児童からは、「ハンドボールは点が取りやすくて楽しい」という声も上がっている。体育好きな子が着実に増えている。

「教科の総合化」で子ども主体の学び

暮らしと学習内容 つながり意識

信州大学教育学部附属松本中

 「ゆたかな学びを創造する学校づくり」をテーマに、信州大学教育学部附属松本中学校(村松久和校長、生徒477人)は5月17日、公開研究会を開催した。「子ども主体の学びになってほしい」という教師らの願いの下、日常生活と教科・他領域などの学習内容とのつながりを意識した「教科の総合化」に取り組んでいる。それに学習内容と関連する書籍などを「持ち込む」という考え方を取り入れ、生徒たちが「授業は自分たちが立ち上げ、創り上げる」という意識を育んでいる。今回の公開研究会は、その初提案の場になった。

全国高等学校長協会が総会・研究協議会を開催

 全国高等学校長協会(会長=及川良一・東京都立三田高校校長)の総会・研究協議会が5月29・30の両日、横浜市内で開かれた。同会では、中央教育審議会に設置された高校教育部会や高大接続部会、さらには、政府の教育再生実行会議における審議動向を会員間で確認・共有するとともに、各校が地域や学科の特徴を生かして取り組む教育活動の事例が発表された。

被災地 足りぬ遊び場

校庭に今なお仮設住宅

 東日本大震災の被災地で、子どもの育ちに欠かせない「遊び場づくり」について、行政、民間企業、避難者自身が、国会議員、関係省庁の職員らを前に報告する会が5月30日、東京都内であった。復旧・復興の動きの中で後回しになりがちな遊び場。津波の被害が大きかった地域では、学校の校庭に仮設住宅が建ち、幼い子を育てる母親のグループが避難先で運営してきた遊び場は、運営メンバーが元の自宅に帰ることで担い手不足が生じるなど、被災地の遊び場には新たな課題が生まれている。

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