新教委制度で教育長の過半数「首長部局との連携密に」
義務教育学校 8教委以上が開設予定
本社調査
「総合教育会議」の創設などにより首長による教育行政の関与を強めた今年4月からの教委制度改革について市区町村教委の教育長にどのような変化があったか7月下旬から今月上旬にかけて尋ねたところ、「首長部局との連携が密になった」と過半数の教育長が感じていることが日本教育新聞社の調査で分かった。6月の学校教育法改正を受け、「義務教育学校」を創設する市区町村は少なくとも8教委に上ることも明らかになった。
災害時、多様な役割求められる学校
宮城・気仙沼市の事例から
9月1日は防災の日。避難をはじめ、各地でさまざまな訓練が展開される。もし、大きな災害が発生した時、学校が担う一番大きな役割は避難所となる。しかし、実際には、自衛隊の駐留やヘリポート、物資の搬入拠点、遺体安置所など、想定していなかった役割を担うことがある。万が一の時、避難所以外にどんな役割が学校に求められるのか。東日本大震災被災地の宮城県気仙沼市で当時、学校が果たした役割の実例を紹介する。
「チーム学校」に期待寄せる いじめ抱え込まぬ手だて遅れ
市区町村教育長にアンケート
本社調査
今年7月下旬から8月上旬にかけて全国の市区町村の教育長を対象に日本教育新聞社が実施した調査では、4月からの教委制度改革により、「首長部局との連携が密になった」などの変化が生まれている(1面参照)。最近の教育界の動きに関して自由記述を求めたところ、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、部活動指導員など教員以外の職員の配置を進める「チーム学校」の実現に向けた期待を寄せる声が目立った。
保護者「支援」から「協働」へ
「気になる子」の視点で
全国幼児教育研究大会
全国幼児教育研究大会北海道大会が7日、札幌市で開催。同大会の分科会の一つでは園長、現場の保育者らが、共に育ち合うインクルーシブ教育や、保護者に寄り添う支援について語り合った。
自らの考え、解釈持たせて
6年国語「やまなし」をどう指導するか
宮沢賢治作品 抽象的な内容に苦手意識も
「クラムボン」や「青い幻灯」「イサド」など、作者である宮沢賢治の独特な表現や美しく幻想的な描写が多用されていることで知られる国語教材「やまなし」(光村図書6年)。内容が抽象的で多様な解釈ができ、「魅力的な作品」と捉える教師がいる一方、「指導がやりづらい、難しい」と苦手意識を持つ教師も少なくない。年間計画では指導時期を9月に位置付ける学校は多い。指導のキーワードは「自分の考えや解釈を持たせること」。注意しておきたい点や実践の工夫などについて紹介する。
特殊な学習環境で効果を生む実践は
東京都「へき地・小規模校教育研究発表会」から
少人数や離島など、特殊な学習環境で効果的な教育を行うには―。東京都の平成27年度へき地・小規模校教育研究発表会が7日、都庁で開催された。小規模校を代表して青梅市立第七中学校が、生徒の社会性向上などを目的に取り組んだ協同学習の実践を、へき地校を代表して三宅村立三宅小学校が児童の学力向上などを目的に確立した系統的な指導法の実践を発表した。
「探究学習」評価法を議論
京都大学でフォーラム開く
先進的な理数教育を実践するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)などの成果を受けて、探究的な学習を導入する高校が増える中、生徒の学習活動をどう評価するかを考える会合が1日、京都大学で開かれた。ルーブリック(評価規準)の導入の成果や、人文・社会科学系の学習評価の難しさなどが報告された。
コミュニティ・スクール研究大会
新潟・上越市で
全ての小・中学校に学校運営協議会制度を導入することが検討課題として浮上する中、各地の動きを報告し合い、課題解消に向けたヒントを探るなどする全国コミュニティ・スクール研究大会が今夏、新潟県上越市内で開かれた。選挙権年齢の引き下げを受け、学校運営協議会の構成員として、より若い世代に参画を求めることなどが話題となった。住民主体の防災訓練に中学生が参加するなど、この制度を通して若い世代が地域を支える体験を積んでいるなどの報告もあった。